Get drunk 2. ページ44
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こんな事、絶対に
熱狂的ファンの後輩には言えないな…
隣に住んでる事ですら
恐ろしくて言えないのに、
これで頭に鍵投げ付けた上に
服掴みあげて啖呵切ったなんて知られたら
私の命に関わるかもしれない…
なんて、想像すると
尚更に背筋がゾクゾクして体が震えた。
「ああ……」
(今日の事は墓場まで持っていこう)
一人そんな決意をして、
ぐったりした私はそのまま何とか体に鞭打って
ベッドに倒れ込んだのだった。
「う゛ぅ…」
(頭が痛い)
昨日、居酒屋で後先考えずハイペースで
飲み進めた結果…
私は見事なまでの二日酔いに悩まされていた。
頭の中をガンガンと叩かれるような感覚と
胃がムカムカする不快感。
鏡に映った自分の表情はげっそりして
とても人様には見せられない酷いものだった。
「これは、確かに色気無いの欠片も無いな…」
一人納得したように呟いて、
とりあえずシャワーを浴びて
さっぱりしては見たものの
相変わらず胃の不快感と
頭痛は変わらないままで…
今日が休みで本当に良かったと思った。
「こんな姿、誰にも見せられない…」
ひとまず部屋着に着替え
髪をドライヤーで乾かしてから
溜まっていた洗濯物を持ってベランダに運ぶ。
二日酔いだからと言っても
一人暮らしの休日は忙しい。
髪をシュシュで結んで
ラフなお団子にすれば準備万端で、
「さて、と」
(やりますか…)
カゴに入れた山積みの洗濯物を見て、
気合いをひとつ。
ハンガーにてきぱきと洗濯物を干していく。
すると、ガラリと隣のベランダの窓が開いた。
「ちょっと壱馬、そろそろ起きてよ!」
「ん゛ん、もうちょっと…」
隣の部屋から聞こえてきたのは
北人君の叫び声とあの生意気な彼の声だった。
「いや、寝すぎだし!」
「さっさと起きて、洗濯物干すの手伝って」
「なぁ、慎、代わりにやってくれん?」
「え゛え、嫌ですよ、今日は壱馬さんの番だし…」
「……………。」
(うん、何だこの会話…)
どうやらベランダの向こうにベッドがあるのか
北人君の淡々としたお説教と、
まこっちゃんによる盛大な愚痴が聞こえてくる
年下の彼に洗濯物を任せて
自分は寝てるのか、あいつは…
と、何となく会話の流れで想像して溜め息が漏れた
挙句の果てには、
「ああ、もう誰でもいいや」
「とにかく手伝って!」
と、北人君の大きな叫び声が
ベランダに響いたのだった。
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました!何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します! (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます!すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです!ありがとうございます! (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます!一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです! (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです!この作品大好きです! (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やよい | 作成日時:2020年3月16日 16時