How do you feel 2 ? ページ26
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彼女の視線は俺を通り越して
その背後にいた樹へと、
はっきり向けられていた。
二人が交わす少しの会話に
何故かひどく疎外感を感じた。
だからって訳でもないけど、
｢ええから、早よ乗りや｣
｢えっ、でも…｣
｢ええから、｣
｢さっさと乗れって…｣
今更、俺に遠慮してるのか
躊躇してなかなか乗ろうとしない彼女。
その仕草が無性にイライラして、
しびれを切らた俺は少し強引に彼女の腕を掴み
エレベーターの中へと引き込んだ。
すると、とっさの事に
付いてこれなかった彼女の足が少しもつれ、
そのまま彼女は俺の胸に飛び込むように
ぶつかった。
｢ご、ごめん…！｣
｢いや、別に｣
ぶつかった拍子に微かに感じた衝撃が、
激しく俺の心を揺さぶった気がした。
｢｢……………。｣｣
再び、かち合った視線はお互いに逸らして
少し彼女が後退りした事で俺達の距離は
数センチわずかに離れた。
つい先程まで彼女を掴んでいた手は
じわじわと熱を帯びたように熱く感じた。
｢…あの、何階ですか？｣
俺と彼女の作り出した曖昧な空気を悟ったのか
遠慮がちに口を開いたのは
操作ボタンに程近い北人だった。
｢あ、私も同じ階なので気にしないでください！｣
北人の問いかけに我に返ったのか
ナナは勢い良く顔を上げて笑うと、
北人も納得したのか再び〔閉じる〕のボタンに
手をかけて扉を閉めた。
｢………………。｣
(手が勝手に動いた)
彼女をエレベーターに引き込んだのは、
完全に無意識だった。
樹と会話する彼女を見ていたら
つい、手が勝手に動いていた。
エレベーターが加速する中で、
こっそり彼女を掴んだ自分の手のひらを眺め
目を細める。
何で、俺はあんな行動をしたのか…
その理由が分からなくてもどかしかった。
｢壱馬さん｣
｢は？｣
｢いや、着きましたけど…｣
｢降りないんですか？｣
乗る前と似たような台詞をまた慎に言われて
ハッとした。
また上の空になっていた事に気付き、
溜め息が溢れる。
「……………っ、」
(何かがおかしい)
いつもの自分じゃない感覚に戸惑いすら感じて
次第に眉間には皺が刻まれた。
渋々無言でエレベーターを降りれば
目の前にはいつの間にかまた彼女が
北人と会話する姿が飛び込んで、
｢…………チッ、｣
(北人の奴)
まるで宝物を盗られた子供みたいに悔しくて
俺は小さく舌打ちをした。
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
