S M I L E : )

Stand by you. 4 ページ39

.






目の前にいる彼女が
壊れてしまうような感覚に襲われ
俺は恐る恐る彼女の髪に触れて
確かめるようにそっと抱き締めた。



｢………っ、｣
(泣いてる？)



ナナが俺の背中にぎゅっと手を回した
その瞬間に彼女の肩が微かに揺れ



あ、やっぱり泣いてる。



そう悟った俺の頭に
少しずつだけど、怒りがこみ上げてくる。



「あのっ、岩さん、俺、言いましたよね…｣


「ナナは物じゃない、って｣


『……っ、』



沸々とこみ上げる怒りを必死に抑えながら、
ナナを怖がらせたくない一心で
静かにそう話を切り出した俺の言葉に
岩さんは少しばかり表情を曇らせた。



「あと俺、まだ岩さんに言えてなかったですけど…」



この前、言いたくても言えなかった台詞。
テレビ局の屋上で言いたい放題言って
そそくさと去っていった岩さんに、
今回はキチンと言っておきたかった。



｢この前、岩さんが言ってた台詞…｣


｢そっくりそのまま返させてください｣



泣いているナナを腕の中に閉じ込めたまま、
岩さんに向かって怒りに任せて
少し挑発的な言い方をしてしまった。


すると、さっきまで
黙って口を閉ざしていた岩さんも…



『ねぇ、北ちゃん…』


『それって、宣戦布告って事で良い？』



そう静かに淡々と問いかけるから、
負けじと無言で頷いた。
そうして、



『大事な子を泣かせたりするような人には』


『俺、絶対、負けませんから』



しっかりと岩さんを視界に入れた俺は
はっきりとした口調でそう言い切った。


そして、まだ泣き止まない彼女の手を取り
その場からゆっくりと彼女を連れだした。



｢………。｣
(もう絶対、引き下がったりしない)











S M I L E .

Story 11 Stand by you.











▽何度も言いますが、
岩ちゃんを悪者にするつもりは
ありませんのでお許しください。笑

短編も出してます。
良かったら覗いてみてくださいね。


#連載中
main : 神谷健太 → 7 Days Wonder ..


お話の続きが気になる方は
高評価、お気に入り登録
是非お願いします。
感想も良かったら教えてください。
やよい




.

Do as you like.→←Stand by you. 3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す