S M I L E : )

You drive me crazy. 4 ページ34

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｢……っ、｣
(胸が苦しい)



自分とは住む世界が違う。



そうハッキリと自分の口で言葉にすると
何故か胸の奥でズキン、と鈍い痛みが走って
無意識に胸に手を当てて顔を歪めた。


すると、私の言いたい放題な台詞に
口を閉ざして黙り込んでいた剛典君は
満を持して静かに呟く。



『じゃあ、北ちゃんと会ってるのは違うの？』


「……っ、それは｣
(図星すぎて言い返せないし)



鋭く射抜くような視線を向けて、
一歩踏み込んだ剛典君に腕を掴まれる。


逃げ場の無い裏口で
今まさに思っていた事を告げられ
更に心にダメージを負った気がした。



『俺と北ちゃんの違いって、なに？』


『俺がナナを振ったから、それが原因とか？』


「……っ、違うよ｣



早口で捲し立てられる剛典君からの問いかけに
上手く答えられない事が悔しくて
下唇をぎゅっと噛み締めり


剛典君の視線から
逃げるように顔を背ければ…



『ナナ、北ちゃんの事好きなの…？』


「そんなの剛典君に関係な…」


「ちょっ、やめて…！｣


『関係ある、って言ったら…？』



ナナは、どうする？



壁に私を押し付けて、
一気に距離を詰めた剛典君は
私の言葉を最後まで聞かずに遮ると
そう問いかけた。


その時だった…



『え、ナナ…？』


「……っ！？｣
(もしかして、この声)



聞き覚えのある優しい口調で私を呼ぶ声と共に
ガタン、と物音がした方を見れば
そこにはやっぱり
ずっと会っていなかった彼の姿があって…



「……っ、北ちゃん！！｣




私が北ちゃんの名前を叫んだ事に油断したのか
剛典君の腕の力が緩くなった隙を見て、
勢いに任せてその腕を振りほどいて
北ちゃんの腕にすがるように逃げ込んだ。





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