S M I L E : )

He's a super star too. ページ22

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『あれ、北ちゃん？』


『何で此処に居るの…？』


『あー、いや、何でって、あの…』


「…え？｣
(どういう事？)



今、目の前に起きている事態が把握できない。
剛典君が北ちゃんって、言った。
これって、どういう事？
知り合いだったの…？



｢………。｣
(頭がパンクしそう)



剛典君と北ちゃんを見てる限り
明らかに初対面では無さそうな感じだし、
二人もこの状況に
少なからず戸惑ってるように見える。


というより、
剛典君が北ちゃんを知ってたの？
駄目だ、頭が回らない。



「北ちゃん、剛典君と知り合いだったの…？｣


『…え？』


「一体、剛典君とどんな関係なの？」



気付いた時にはパニック寸前で
次から次へと疑問が溢れてしまっていた。


私の隣に立ち尽くしていた北ちゃんに
質問を投げ掛けて、
じっと不安な視線を送れば
北ちゃんは少し困ったように笑って、



｢ナナはさぁ、THE RAMPAGEって知ってる？｣



と、一言そう言った。
THE RAMPAGEという単語は、
もちろん知っていた。


剛典君と付き合っていた時に
良く連れていかれたお店にたまたま居合わせた
ボーカルの登坂さんから、



『ナナ、こいつ、俺の後輩』


『壱馬、挨拶して』


『初めまして、THE RAMPAGEの川村壱馬です』



同じくボーカルの壱馬君を紹介されて
そこから何度か顔を合わせる機会があって
会うと少しだけ話す事もあった。


だけど、よく考えれば
他のメンバーをまともに見た事も無かったから
ぼんやりとしか残像しか思い出せなくて、



｢えっと、壱馬君なら分かる…｣



素直にそう口にして北ちゃんを見上げれば、
北ちゃんはどこか納得したような表情で
悲しげな苦笑いを浮かべて頭を掻いた。



『あー、そっか、壱馬…』


「北ちゃん…？｣



ぽつり、と壱馬君の名前を呟くなり
彼が小さく溜め息を吐く姿に
私は一人、首を傾げた。


どうして今、
突然そんな事を聞かれたのかすら
まだ私は理解できていないのに…


そんな風に思っていた時、
口を開いたのは様子を伺っていた剛典君で、



『ナナ、』


『北ちゃんもTHE RAMPAGEのボーカルだよ』


『壱馬と同じ、メンバーの一人』


「……えっ！？｣



まさかナナ、知らなかったの？



と、言いたそうな顔をして
苦笑いで教えられた事実に言葉を失った。


事実を確かめたくて
ちらり、と横目で北ちゃんの事を見れば
苦笑いを浮かべて小さく頷く彼を見て
自分の無知さに恥ずかしくなった。








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