S M I L E : )

I'm not a stalker 3. ページ3

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｢………っ、｣
(これってもしかしてチャンス？)



にやにや、緩んでしまう締まりの無い表情を
必死にひた隠しにして、
そわそわしながら再び席につく。


肩にぶら下がっていたイヤホンを外して
乱暴に鞄に突っ込むと、ガサガサと鞄の中から
メモとペンを取り出す。



｢……っし｣
(渡すなら今しかない)



少々雑な殴り書きだけど、
時間が無いから今は仕方ない。


とにかく彼女とお近づきにならないと。
きゅっ、と拳を握りしめ
気合いを入れて手にメモを忍ばせながら
彼女が来るのを待つ。


すると、
間もなくして…



『お待たせしました、』


『ホットココアです』



カチャン、と
俺の前に置かれた新しいカップには
出来たてのココア。


白い湯気が上がったココアを置いた彼女は
また小さく頭を下げて
ふわりと独特な笑顔を浮かべ笑った。



｢あ、ありがとう｣



素直にそう言って俺も笑いかければ、
彼女は口元に手を当ててふふ、ごゆっくり。
なんて、可愛い仕草をして言った。


そして、用が済んだ彼女は
またその場から離れようと
ゆっくりと俺に背を向けるから、



｢あ、ねぇ、待って…！｣



再び彼女の腕を掴み、足止めさせた俺は
握りしめていたくしゃくしゃなメモを
そっと彼女の掌に乗せると、
勇気を出して言った。



｢良かったら、今度デートしてください｣



彼女の掌に乗せたメモをぎゅっと挟むように
手を握りしめて、懇願するような目で
必死に見つめて彼女の返事を待つ。


お願いだから、と天に祈る気持ちで
じっと彼女を見つめていると、



『私なんかで良ければ、是非…』



と、少しはにかむような表情をして
俺の渡したメモを大事そうに両手で握りしめる
そんな彼女があまりにも可愛くて仕方なくて…



｢俺、吉野北人って言います｣


｢北人って呼んでください｣


｢あ、北ちゃん、とかでも良いけど…｣



つい気持ちばかりが焦って
まぁまぁ早口でそう名前を名乗った。


今、きっと俺の顔すごく赤いに違いない。
そう思うと恥ずかしさから苦笑いになって
少しうつ向いてしまう。
すると、




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