I'm not a stalker 2. ページ2
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｢あー、マジか…｣
くそう、格好悪いな。
イヤホンを片手で外して、
ポタポタと服の上を滑っては
床に落ちていく水滴を軽く手で払って
おしぼりでテーブルを拭く。
ああ、このおしぼりもう駄目だ。
新しいのもらわなきゃ、
なんて顔を上げた時だった。
「すいませ…｣
『お客さま、大丈夫ですか？』
「………あ｣
(ナナちゃんだ)
テーブルクロスを片手に颯爽と現れた彼女は
素早く俺の溢したテーブルを拭くと同時に、
『これ、新しいおしぼり使ってください』
「あ、すいません…｣
『いえ、あ、床も拭かなきゃ…』
少々お待ちくださいね、なんて
優しく微笑んでペコリと頭を下げた彼女は
バックヤードにモップを取りに行こうと
そそくさと踵を返すから、
｢あのっ、ちょっと待って…！｣
慌てて彼女の腕を掴んで、それを制止した。
突然腕を掴まれた彼女は案の定、
きょとんとした表情をして首を傾げる。
だけど、仕方ない。
きっと今を逃せば話しかけるタイミングなんか
またしばらく見つからないに決まってる。
『…あの？』
「あ、えっと…｣
(どうしたら良いんだろう)
何の考えも無しに呼び止めてしまって
会話に詰まってしまい、
無意識に苦笑いになりながら
指で頬をぽりぽりと掻いてしまう。
こんな事ならもっと考えておけば良かった、
なんて後悔も虚しく…
｢ごめん、何でもない…｣
そっと掴んでいた手を離し、
恥ずかしさからすっと顔を逸らした。
すると彼女はしばらく黙った後、
『服、濡れて体冷えますよね？』
『今すぐ温かいココアお持ちしますから…』
俺の濡れた服を見て、すぐそう言った彼女は
にっこりと笑って軽く会釈をしたから
申し訳無くて、
｢あ、や、でもまだ…｣
頼んだ物がまだカップに半分残っているし、と
テーブルにあるココアに視線をやりながら
遠慮がちにそう言えば、
『いつも来てくれてますよね？』
『だから、特別サービスです』
「…へ？｣
(いま、何て)
すぐお持ちしますね？
なんて、付け加えて明るく笑いながら
カウンターに入っていった彼女の後ろ姿に
また、きゅっ、と胸の奥が
優しく締め付けられた気がした。
いつも来てるから、と
俺の事を見て言った彼女に
悪い癖が出て期待してしまいそうになる。
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やよい(プロフ) - あやなさん» こちらこそコメント下さってありがとうございます！休みに入ると沢山更新出来るので今日は引きこもって更新頑張ります！笑 良かったら読んで頂けると嬉しいです！ (2020年4月11日 14時) (
レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 水晶さん» こんにちは、コメントありがとうございます！続編移行しましたので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです、笑 頑張って更新しますね！ (2020年4月11日 14時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - いつも更新ありがとうございます！お仕事も大変ですよね（汗）お体に気をつけてくださいね！やよいさんの更新待ってます！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 0bdc6a61b5 (このIDを非表示/違反報告)
水晶 - めっちゃキュンキュンしました!!!!更新めっちゃ楽しみにしています、頑張ってください！ (2020年4月6日 15時) (レス) id: 9f418f690e (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ほくみなさん» こんばんは、どちらも読んでくださりありがとうございます！こちらは比較的まったりしたお話なので単調になりすぎないように頑張っていきますので宜しくお願いします！(^^) (2020年3月27日 22時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月21日 10時
