＿＿Secretive. (秘密主義者) #1 / drm

始 ま り は 軽 率 に / Y O U ページ8

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『えっ、バイトってなに、えっ、あれ…？』



『お姉さんは、ウーバーの人じゃないん？』



「あっ、いえ、ウーバーもなんですけど…」



「私、すぐそこのコンビニでもバイトしてるんで！」




なんて、少しパニックになってる様子の彼に
私も言葉足らずだったと反省して慌てて説明する。




『ああ、なるほど。そうなんや。って、え、今から…？』



「はい、今から…！」



「あ、でも、もう多分間に合わないかも、あははっ…」



『嘘やろ、マジ？うわ、俺のせいか、これ』



「あっ、いえ、何時も結構ギリギリなんで多分大丈夫かと」




ウーバーの配達時間とコンビニのバイト時間を
何時もギッチギチにしすぎていたせいだから
決してこのお兄さんのせいではない。
悪いのは自分だから、とりあえず今から走って行って
ちゃんと店長にはお詫びするしかない。




「そういう事なんで、まだ話の途中なのにごめんなさい…」



「私、そろそろ行かないとダメみたいです…」



『あー、そんなん全然良いっすよ、また今度って事で！』



『もう全然俺のことなんか気にせんと行っちゃって下さい』



「本当ですか？良かった、ありがとうございます」




さすがにお兄さんもこれ以上はマズいと思ったのか
急かすように早く行け、とばかりの表情をして
しっしっ、と手で合図をするなり笑みを浮かべる。



彼のそのくしゃくしゃに笑う姿があまりにも格好良くて
不覚にもまたきゅん、としてしまった。



とはいえ、会話途中でこんな事になってしまったから
何かお詫びできるものは無いかとポケットを漁ってみれば
運良く、コンビニの割引クーポンが出てきて…







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