＿＿Secretive. (秘密主義者) #1 / drm

近 く て 遠 い / D R M ページ35

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だるま俺が勝手に居座ってただけやのに
そんな律儀にお礼とか言わんでええねん。
てか俺らもうお友達なんやから、あれくらい当然よ!



ナナじゃあ、私もまたコーヒー奢るね!
なんせ、だるくんは東京で出来た初めてのお友達だから!




『……えっ、マジ？』




えー、ワタクシ、だるまいずごっど。
この度、めでたくナナの初めて奪っちゃいました。
あざーっす、マジでこれまで生きてて良かったっす！



…って、いう冗談は置いといて。
そう言われてみれば俺も友達って呼べるほどの奴
東京来てからは特におらんかったな、って思い出した。



まぁ、そりゃ配信者としての友達っつーか、
同じチームの仲間内とかカスタム繋がりとかで
仲良くしてるやつはそれこそ何人かおるけど
ぶっちゃけ俺、そいつらとも会ったことないからな。



俺自身は、顔出しすんのにそこまで抵抗は無いけど。
でも普通に身バレすんのは怖い、マジで無理。



だから、ナナにそうやってお友達認定もらった時は
なんかめっちゃ新鮮っていうか、まぁ不思議な感覚で。



だるまいずごっど、としての俺じゃなくて
同じ三重県出身のだるまくんとして
ナナがお友達認識してくれてんのやな、って
それが、やけに嬉しく感じたんよね。



度重なる疑心暗鬼の末にたどり着いた答え。
ナナは間違いなくシロで、リスナーじゃない。



コンビニに居る間、密かに何度かジャブ打って
この目で確かめたんやから、これはもう間違いない。




ポロン…
「だるまー？」




ボケっとLINE眺めてそんな事考えてたら
配信部屋からDiscordの通知音が聞こえてきて
オンラインのまま通知切ってへんかった事に気付いて
しぶしぶ重い体引きずって配信部屋に入った。




「おーい、だるまー！おーいおーい！」



『いや、お前うるさいねん！朝っぱらからなんやねん！』



「いや、なるせが連絡つかんからお前にも言うとこかなって」




こんな朝から俺のDiscordに入ってきたのは、ありさかで。
眠気覚ましにボリューム上げて突っ込んだ俺に対して
ありさかは完全スルーを決め込んでそう言った。




『……は？なるせ？何の話よ？』



「いや、だから、今日からやろって。俺達の大妖怪コラボ」



『ああ、何やその話か。それなら俺もう偵察行ってきたで？』




まぁ、正確には忘れてたのを思い出させられたっていうか
そんな感じなんやけど、でもあながち間違ってはないやろ。





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