＿＿Secretive. (秘密主義者) #1 / drm

疑 心 暗 鬼 / D R M ページ19

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そんな事を思って悩みに悩んだ末に
配達完了の知らせを聞いて、部屋から飛び出した。
ただ、すぐに玄関のドアを開いたにも関わらず
もうその姿は無くて、いや移動早すぎん？



とか、一人勝手に苦笑いになりながらも
とりあえず玄関先に商品を置き、
何時ものメモだけを素早く手に取って
すぐさまエレベーターまで走って、飛び乗った。




『あっ、そこのウーバーのお姉さん、ちょっと待って！』




間一髪、エントランスの所でお目当ての彼女を見つけて
何とか声をかける事は出来たものの
彼女はどうやら他にもアルバイトの掛け持ちがあるとか。



いや、さすがに働きすぎちゃうか？
しかも深夜から早朝にかけてウーバーとコンビニって
何でわざわざそんな時間選んでシフト入ってんの。



とか、彼女の事を知ったら知ったで
新たな疑問がもう、うじゃうじゃ出てくる訳。



その話も踏み込んで聞いてやりかったとこではあるけど
さすがに遅刻するかも、ってめっちゃ焦ってる人を
足止めすんのは気が引けたからそこでお開きにしたんやけど。



てな訳で、まぁ俺が思ってた以上に
例の彼女と会話する事は出来んかったけど
とりあえず、顔とかは把握出来たからまぁ良しとするか。



ちな、欲を言うなら、
もうちょっとだけでも時間あればなぁって…



まぁ、名前とか、年齢とか？
他にもその他もろもろな情報とかも聞きだして
あわよくばお知り合いとかになれたかもしれんのに…



ほんの少しだけ不完全燃焼っていうか、
何か分からんけど普通にモヤってる自分がおるわ。



まぁ、とは言ってもとりあえずはミッション完了した訳で。



"例のあの人"との初対面も無事終了したし
何でかコンビニの割引クーポンなんかも貰っちゃったし？



コンビニなぁ、そりゃ行くでしょ、もちろん。
出不精な俺でも近所のコンビニくらいなら
さすがに余裕に出歩く範囲やしなー。



明日にでもふらっと行ってみるかぁ。



なんて、その時は気楽に捉えてたものの
ウーバー頼みすぎてた反動が次の日から現れて
二日間くらいもうめっちゃ調子悪なって、
マジで体調が最悪のコンディションやった訳で…



それでも、ひとまず体調が回復したことを良いことに
あのお姉さんとの3日ぶりの再会を期待して
コンビニまでの道のりを軽快に歩いていた所で
ふと、頭ん中を過ぎる不安。



え、てか、そもそも今日シフト入ってんのか？
これでもし、あのお姉さんおらんかったら
めっちゃ無駄足やぞ、これ。





『うわ、俺、完全にミスった』
(連絡先聞いときゃ良かったー！)








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