Luv ur Voice # YG (ページ7)

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Do u love my voice? ページ7

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｢………。｣
(ああ、何か緊張してきた)

自分の携帯の番号を
ゆっくり押しながら、ふと考える

一体どんな相手と一夜を共にしたのか、とか
昨日はどういった経緯で
あんな事になったのかとか…？

とにかく聞きたいことは山ほどあって、

｢………っ、｣

出来れば、イケメンでありますように…

番号を押し終わり、プルル…と
コール音が受話器越しに耳に響く。

どくんどくん、と動悸する胸を抑えながら
祈るように目を閉じて唇を噛み締める。

願うのはせめて昨日一夜を過ごしたのが
太ったお金持ちのオッサンでは無く、
イケメンでスマートなお兄さんであってほしい

｢………。｣

いや、何を期待してるんだ私は…

あわよくばこのまま、これをきっかけに
恋が始まったりなんかしちゃうのでは？

なんて、我ながら馬鹿みたいに
安易な思考が頭を過って呆れてしまうものの、
どこか心の隅で期待を抱く自分が居た。

『ヨボセヨ…』

「……あ、ヨ、ヨボセヨ？」
(繋がった！)

ようやく繋がった電話の向こう側、
受話器から聞こえてくるのは
明らかにオッサンでは無く若い男性の声で
ほんの少しだけ、ホッとした。

どうやら酔っぱらいながらも
その辺の判別はしっかりと付けていたらしい
そんな自分を我ながら誉めてやりたくなった。

「あの、携帯を取りに来たんですが…」

とりあえず、特に話す話題も見つからないし
少し忘れかけていたけれど、
会ったら文句を言ってやるつもりだったから
長話なんか必要もないか、なんて思って
さっさと本題に入った。

何となくちょっとだけ部が悪くて
下手に出ながら相手の出方を窺っていると

『ああ、本当に来たのか…』

「はい？」

来たのか、って何だよ！
お前が呼んだくせしてふざけんな！

とは、弱味を握られているから言えないので
頭の中でこっそりと叫んでおく。

おまけにわざわざこの場所まで取りに来た私を
特に気にする素振りなんかも一切見せずに、
ケロッとした口調でそう言うもんだから
何だか調子が狂ってしまった。

「まぁ、たった今、着いたところで…」

『ふーん、じゃあ、そのチケットで中入れよ』

待ち合わせて携帯を返してもらうだけなのに
そう、すんなりとはいかないみたいだ。

酔っぱらった代償がこれなのだから
百歩譲ってそこは許そう。

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