Luv ur Voice ページ40
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「ああ、ちょっと顔が良いからって、やつ？｣
「確かに言ったけど、何…？｣
もはや、ここまでくれば無礼講だ。
どうせ支払うのは自分なのだから飲まなきゃ損。
何より飲まなきゃやっていられないほど
何だかそわそわして落ち着かない。
だって、相手は
“あの” ミン・ユンギなのだから＿＿
YG「ああっし、何って、お前…｣
YG「確か、俺の声も好きとか言ってたよな？｣
「えっ、いや、好きじゃなくて苦手だけど…｣
戸惑い気味に問いかけてくる彼に向かって
隠すことなく素直に本音を暴露して、
ぐいぐいペースを上げながらやけ酒に走る私。
その隣で私の返事を聞いた彼は、
何故か “苦手” というフレーズを聞いた途端に
ぴくりとその眉を上げると目の色を変えて、
YG「はいはい、これ、没収な？｣
「…ああ、ちょっと私のビール！｣
YG｢ヤァ、その“苦手”って、どういう意味だよ｣
私の手からビールジョッキを奪い取って
ひょいっとそれを遠ざけると
さっき私が言った言葉に納得いかないらしく
その意味を説明しろ、と私に迫ってくる。
「それ、本当に言わなきゃ駄目…？｣
言ったところで、
誰も得しない気がするんだけど…
YG「あー、はいはい、今更勿体振るなよ｣
YG「お前、どうせ口で俺に勝てないだろ？｣
「ああ、確かに、それもそうだ｣
カウンターに並んで次第にまったりしていく
男女の組み合わせ。
周りから見ればカップルに間違われそうな
そんな空気にも思えるだろうけど、
生憎、私と彼の間には甘い空気なんか皆無だ。
確かに、ユンギの言うとおり
口でこの意地悪な男には勝てる気がしなかった。
「学生時代からかな、あんたの声聞いてると｣
「何か自分でも良く分かんないんだけど…｣
「胸のここら辺がぎゅってなったり、｣
「くすぐったくなるっていうか…｣
「だから、とにかく、その声が苦手なの！｣
「はい、以上！｣
「ほら、言ったからビール返して…！｣
今まで感じていた理由を素直に彼に話せば
少しだけ心の中がすっきりした気がした。
そのままの勢いで手を伸ばして
ビールの返却を催促する私に対して、
何故か隣の彼は放心状態で…
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tqhl - 面白かったです！タイトルから中身まで雰囲気がおしゃれですごく素敵な小説でした！ (2月7日 19時) (
レス) @page44 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2021年2月7日 22時
