Luv ur Voice # YG (ページ20)

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Bad memory # YG ページ20

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JN「うわぁ、お前、それは駄目だよ…｣

JN「とにかく、ちゃんと無傷で帰せよ！｣

｢はいはい、分かってますって…｣

俺の肩を軽く押して、苦笑いで怒りながらも
軽く手を振ってドアを閉めた。

｢お客さん、行き先は？｣

｢ああ、すいません、えーっと…｣

ああ、しまった
こいつ、今どこに住んでるんだ？

タクシーで送るつもりがよくよく考えれば
俺はこいつが今どこに住んでいるのかすら知らない。

それもそうか、俺は振られてから
しばらくして事務所に入ったし
そこからはずっと宿舎暮らしだったからな

あれから、もう何年も経っている。
となると思い付く場所なんて
ただ一つしかなかった。

「はぁ、くそ、疲れた…」

大体、なんで俺がこいつの為に
ここまでしなきゃいけないんだよ

思い悩んだ葛藤の末、しぶしぶやってきたのは
ソウル市内でも有数な高級ホテルの一角、
リッツ・カールトンのスイートルーム。

酔い潰れたナナの腕を肩に回して
何とか部屋に到着すると、
ベットにそっとナナを横たわらせた。

｢…………はぁ、｣
(こいつ、どれだけ飲んだんだ？)

すやすや眠りながらも
時々、声にならない唸り声を上げて寝返りを打つ彼女を
突っ立ったまま上から見下ろすように眺めて、
大きな溜め息を溢しては腕を組む。

こうして見れば彼女はやっぱりあの頃と同じで、
胸をきゅっと掴まれたような鈍い痛みが走る。

｢ん、んん…｣

｢…お？｣
(やっと起きたか)

少し苦しそうな声でうっすら瞳を開けた彼女は
ぼんやりと焦点の定まらない視点で
俺の事を視界に入れると虚ろな眼をしたまま
キョトンとした表情をして、

「えっと、此処って…？｣

「……は？｣

こいつ、マジで
何にも覚えてないのか…？

どうやら彼女は居酒屋で酔い潰れた事や、
俺が学生時代に告白した相手だという事…

そして今、自分がどこにいるのかすら
全く理解が出来てないらしい。

ぽかん、とした顔付きで俺を眺めながら
首を傾げたナナに呆れつつ、
不覚にもその表情が可愛くて頬が熱を帯びる。

「ヤァ、お前は居酒屋で一人酔い潰れてたんだよ｣

「家分かんないから、とりあえずホテル連れてきた｣

「ああ、そうなんですか…｣

赤く染まった頬をこいつにだけは見られたくなくて
咄嗟に彼女から背を向けると、
冷蔵庫からワインを取りだして
グラスを二つ持ちながらソファに移動した俺を
ナナは相変わらずぼんやりした視線を向けたまま
ゆっくりと目で追いかけると…

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