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Bad memory # YG ページ17

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ボソッ…
JN「おっ、ユンギヤ、知り合いか?」



JN「だったら彼女、家まで送ってやれよ」





俺の肘をつつきながら
ニヤニヤとした表情を浮かべて
俺に顔を近付けたジニヒョンは小声でそう話した。
明らかに楽しんでいる様子のヒョンに




「……は?」



「嫌っすよ、何で俺が…!」




つーか、そもそも
こいつの家なんか知らねぇし





慌ててそう叫んでぐいっ、と勢い任せに
ジョッキのビールを飲み込む。




「………。」



JN「ヤァ、何だよ、ユンギー」





すると乱暴にジョッキを机に戻した俺の顔を
黙って眺めていたジニヒョンは、
カウンターに突っ伏する女を俺の座る席から
僅かに見えるその隙間から覗き込み、
彼女を指さして言う。





JN「だって確か、あれだろ?」



JN「ナナちゃんって、ほら…」



JN「ユンギが初めて振られた女の子じゃん!」



「ちょっ、ジニヒョン」



「そんなはっきり言わないでくださいよ…」



「あー、진짜(チンチャ)…」





そんな事よりヒョン、
記憶力良すぎるだろ




そう、今まさに
ジニヒョンが言った事は図星で



嫌味なほどに笑みを浮かべて、
肩を揺らしながらビールジョッキ片手に
クックッ、と声を押し殺して笑う。





JN「ヤァ、でもお前が振られたのは事実だろ?」



「だから、それは学生の頃の話で…」



「大体そんな事、今の今まですっかり忘れてましたよ」





未だにニヤニヤしながら
大きな瞳を輝かせるヒョンの追及の手から逃れようと
咄嗟に目を逸らして、
動揺を悟られないように平静を装った。



そうして、そばにあった居酒屋のメニューを手に取り
そこにしれっと視線を落とした。
そんな俺の態度が面白くなかったのか、





「おお、ヤァ、ユンギー!」



「俺はてっきり、まだ引きずってるんだと思ってたよ」




とか言ってジョッキに残っていたビールを
一気に飲み干したジニヒョンは店員に声をかけて、





「すいませーん、同じのもう一杯!」





とか早々とおかわりを頼むなり
俺に視線を向けながらその出方を窺ってくる。




「ああ、진짜(チンチャ)…」
(言える訳無いだろ)




まさしくその通りすぎて、
ヒョンに何も言い返す言葉がなかった。



振られてから随分経つのに
未だに俺は隣で泥酔するこいつの事を
ずっと何処かで引きずっていた。



まさか、こんな色気無い姿の彼女と
こんな場所で再会するとは予想外すぎて
珍しく自分が動揺してるのが分かる。







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設定タグ:防弾少年団,bts,バンタン , SUGA , ユンギ   
作品ジャンル:恋愛
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tqhl - 面白かったです!タイトルから中身まで雰囲気がおしゃれですごく素敵な小説でした! (2月7日 19時) (レス) @page44 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やよい | 作成日時:2021年2月7日 22時

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