Blow one's brains out 8 ページ8
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「北人さん…」
(全然、知らなかった)
ずっと前から私を知っていて、
私を一途に好きで居てくれたなんて
そんな事、初耳ですごく驚いた。
北人さんの言葉に戸惑い、揺れる思考と
どくんどくん、と高鳴り始める鼓動
そんな私の胸中も知らずに
北人さんはゆっくりと振り返ると、
『けど、マジで俺がナナに救われたのは事実だから』
『まぁ、こんな事言ったらナナはきっと』
『大袈裟、って思うかもしれないけど』
『でも本当だから、マジで冗談ぬきに…』
『あの時、ナナが居てくれたから』
『今の俺が此処に居るんだよね』
だから、ありがとな。
ナナにはマジで感謝してる。
なんて、言いながら振り向きざまに
ふわりと柔らかく笑った北人さんの笑顔は
今までに見た事の無い素のままの表情で、
それは、とても綺麗で輝いていた。
「北人さんと私って、少し似てるね」
今の北人さんを見ていて
何となく不意に口から出たのは
そんな台詞で__
「ドン引きなんてしないよ」
「私だって、北人さんと同じだから…」
苦笑いでそう言って
北人さん着ているコートの袖をきゅっ、と掴み
そっと北人さんな方に歩み寄った。
『……同じって?』
「北人さんこそ、きっと私に幻滅するよ…」
(だけど気付いてしまったんだ)
『…え?』
『待って、全然話がみえないわ…』
『どういうこと?』
陸さんの事をずっと追いかけて
まるでストーカーのように好きだった。
だから、その想いが陸さん届いた瞬間は
嬉しくてたまらなかった。
そして、突然私の前に現れた北人さんから
自分の駄目な部分に気付かされた時、
陸さんに向かって動いていた歯車は狂い始めて
気持ちは勝手に別の意思を持ち動きだした。
「…………。」
(何時の間にか北人さんを好きになってた)
何時からなんて分からないし、
どうしてなんて理由もはっきりとは言えない。
最初は苦手だったし、
どちらかと言えば関わりたくない存在だった。
だけど、段々と北人さんを知れば知るほど
気になって仕方なくて
気付いた時にはこうして、会いに来ていた。
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いちか(プロフ) - こんばんは!どの作品も大好きで、全部読ませていただきました!これからも更新楽しみにしてます! (2020年9月18日 21時) (レス) id: 45a24a2a4b (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 奈々さん» 裏話、気に入ってもらって嬉しいです!いっちゃん密かに恋してましたね、笑 ここからどうする?ってなってますがもうしばらく続きます。また良かったら読んでみてくださいね(^^) (2020年9月18日 8時) (レス) id: d71a83f78c (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - かほさん» こちらこそ読んで下さってありがとうございます(^^)最近は間が空いてなかなか更新出来ませんが、またお休み中頑張りますね、笑 こちらこそ宜しくお願いします! (2020年9月18日 7時) (レス) id: d71a83f78c (このIDを非表示/違反報告)
奈々(プロフ) - 裏話更新最高です!実は最初の方からいっちゃんって主人公のこと好きなんじゃないの!?ってずっと思ってたのでもやもやがすっきりしました笑 すごく面白いです!! これからも他作品含め更新頑張ってください! 密かに応援してます^_^ (2020年9月16日 21時) (レス) id: 33a45ac9b8 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - やよいさん» 更新ありがとうございますッッッ!!!やっぱりやよいさんが書くお話大好きです(*゚∀゚)他の完結したお話もまた始めから読み返したり、継続中のお話も続きが気になりすぎて…。これからも素敵なお話読ませて下さい! (2020年9月15日 7時) (レス) id: d126506225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やよい | 作成日時:2020年9月10日 22時