T R I G G E R .. #2

Blow one's brains out 4 ページ4

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ただの好奇心で聞いたつもりが、
さらっと私の深層心理にまで入り込んで
容易く核心に触れた彼に、



「いや、違うよ？」


「別に、そういうんじゃなくて…｣


「ただ、ちょっと気になっただけで…｣


『へぇ、そうなんだ』


「………っ、｣
(ああ、もう！)



焦って早口で否定すればするほど
樹君のにやにやした表情に拍車がかかり、
二人の間は、何とも言えない空気に苛まれていく


返答に困って
すっかり押し黙ってしまった私…


次の瞬間、
淡々と返される樹君の言葉を聞いて
一人、固まってしまうのだった。



『ていうか、知らないんですか？』


『北人さん、ドラマのオーディション受かったらしくて』


『しばらく忙しくなるからって、バイト休んでますよ』


「嘘っ、北人さんがドラマに…！？』


『え、マジで知らなかったんだ…』


『北人さんが、俳優目指してること』



樹君から聞いた内容は全てが
初めて耳にした話題ばかりで、
その衝撃の大きさにただ驚いて
次々と度肝を抜かれてしまったんだ…


まさか、北人さんの夢が
そんなに大きなものだったなんて
樹君に教えてもらうまで知らなかった。


私はてっきり、北人さんは経済学部だし
商社マンや公務員を
目指しているんだと思っていたから…



｢………。｣
(掴めない性格な訳だ)



勉強を教えてもらうのは北人さんの都合で
連絡をもらうようになっていたから
最近になってぴたりと鳴りやんだスマホの謎や
バイトに居ない理由が分かって
少しだけ気持ち的にはすっきりした。


そして、それと同時に
北人さんの性格や言動の数々は
これまで謎ばかりで掴めなかった事も
少し納得出来たような気がした。



｢…………。｣
(あれが演技かどうかは、また別として)



くるくる変わる表情の変化や、
人を試すような仕草と台詞はまさに
俳優を目指す北人さんならではなのだと分かって
少しホッとする半面、
私はまだ北人さんの事を何も知らなかったんだと
思わされてどこか寂しくもなったりして…



「ねぇ、そのドラマどこで撮影してるの！？」



気付いた時には樹君の腕をがっちり掴んで
北人さんの撮影場所を問い質していた。


そうして、また懲りずに勉強もせずに
ちゃっかりとロケをしているらしい場所に
やってきたんだけど…






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