＿＿Secretive. (秘密主義者) #3 / drm

有 り か 無 し か / D R M ページ4

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何の生活音も聞こえんような静まりかえった部屋で
ナナと二人、顔を合わせたら
何処かぎこち無い空気が室内に漂ったものの＿＿



重たく視界を塞ぐ邪魔な前髪をくしゃり、と掻きあげながら
俺がふっ、と息を吐きだすようにして笑ってやったら
絶対、ナナだって今の状況は緊張してる筈やのにさ
ちゃんと俺に向けて、ふわりと笑ってくれんのよ…



マジで、こいつのそういうとこ、ほんまに好きよ。
常日頃から人の気持ち汲みながら動ける所とか
俺のリスナーのこと思って涙流せるとことか…
ナナって存在の全てがもうたまらなく愛しいんよね。




『俺さぁ、普通にお前が引くくらい、ガチで惚れてるで…？』



「………え、そんなに？」



『うん、そんなにやね。だって普通に俺自分でも引いてるもん
マジでねー、俺はナナのことめっちゃ好きよ。
まぁ、だからこそ、それが災いに転じる事も稀にあるっていう』



「えっ？災い、ってどんな…？」



『んー、そうやな。じゃあ分かりやすいように例え話しよか？
例えば、俺はこのままお前が此処に住めば良いのにって
さっきからずっと勝手に思ってたりするんやけどさ…
正直、まだ告ってもない段階からそんな発想になること自体が
もう頭おかしいやんか。末期症状でしかないやろ、こんなもん』



「でも、そんな風に思ってくれてるのは普通に嬉しいけどね…」



『まぁ、だから、それぐらい俺は本気やってことよ。
マジでお前を好きな気持ちだけは他の奴に負ける気せんから
ただ、一つだけ言うとしたら、その気持ちが暴走した結果
起きちゃった悲劇が大分酷すぎてアレやったけどね…』




まぁ、あれは、ほんまにやり過ぎたな。
いくらなんでも暴走し過ぎてたと自分でもそう思うわ
思い出せば思い出すほど酷すぎて、マジで笑えん。



なんて、思いながら今日何度目かも分からん苦笑い浮かべて
ついつい、ナナの顔色を窺ってしまう辺りが
もう、マジで俺のメンタル弱すぎんか…？



でも、ナナは俺がどんな表情してんのかなんて
特に気にする素振りすら無くて、そんな事よりも
俺がさっき口にした事の方がよっぽど気になったらしい…



その証拠に、




「あー、あの事件の真実はそういうことだったんだ？
うわ、ごめん、なんか私ちょっと何処かで疑ってた…」



とか言って、ナナも一気に気まずそうにしながら
苦笑い浮かべて申し訳無さそうになってたわ。



てか、やっぱり俺がちゃんとナナの事好きやって
そういう大前提の事をさっき言わんかったから
案の定、ばっちり誤解されてたわ。





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