＿＿Secretive. (秘密主義者) #3 / drm

罪 と 罰 / Y O U ページ19

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私の判決に不服で控訴の申立てがしたくて堪らなそうなものの
執行猶予が無くなると聞いた途端に、慌てて罰を受け入れて
仕方なく、私の手から繋いでいたその手をそっと離した。



そう、そこまでは良かったものの…



再び肩を並べて歩き出した、ほんの数秒でまたピタッと
その場に立ち止まって私の腕をそっと掴んで制止してくる。



その掴む手の強さは、一応だるくんなりの罪の意識からなのか
とても弱々しくて遠慮がちで、更には少し落ち込んだ様子で…




「あははっ、ねぇ、だるくん？まさか拗ねちゃったとか？」



『いや、だってさぁ、この１週間って俺からはハグも出来んし
さっきみたいな手繋いだりする行為すらもしたら駄目って…
俺の罰って、つまりはそういうことでしょ…？』



「うーん、まぁ、そうだね。この刑罰の理論上、そうなるかも」



『ねぇー、やっぱ、その罰は重すぎるってー！だってさぁ…
刑期の途中で俺がもうこれ以上は我慢出来ん！ってなった時に
同じような罪犯して、また俺の罪状が増えるかもしれんやんか
んで、そうなった時には俺なんかもうただの犯罪常習者よね？』



「あー、確かに。それはそうかもね。だって、そうなるとさ…
短期間で大罪犯しまくるタイプのサイコパスって事でしょ？」



『いや、お前のその言い方よ！なぁ、明らかに悪意あったな？
てか、今の感じ、確実に悪意しか無かったってー！』



「あははっ、ねぇ、腕のとこ擦り寄ってスリスリしないでー！
めっちゃくすぐったいから、とりあえずそれ止めて？」




すっかり拗ねて、どうしようも無くなった感じのだるくんが
私の腕に頭擦り付けてスリスリしながら罰の軽減要求を訴えて
必死に泣き縋ってくるから、さすがに私も少し気の毒になって




「分かった、分かった！じゃあ、今日だけ駄目って事にしよ？」



『えっ、それマジ？ほんまに今日だけ我慢したら許される？』



「うん、そう。今日だけ」



『んー、そっかそっか、なるほどね。今日だけ、か…』



「んふふ、なに、まだ何か不満そうじゃない？」




今日だけか、と首を傾げながら少し考える素振りを見せて
やけにだるくんが静かになったまでは良かったんだけど…



少しして、申し訳無さそうに苦笑いを零しただるくんが、




『いや、不満ってか、あの、ほんまにマジでごめん！
最初に謝っとくからこれだけ許してくれ…』




なんて台詞をぽつりと言い残したかと思ったら、そこから
あっという間にだるくんの腕に包まれて、抱き締められると
そのまま首を傾けて素早く近寄ってきただるくんによって、
ふわりとお互いの柔らかい唇が重なった。





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