＿＿Secretive. (秘密主義者) #3 / drm

罪 と 罰 / Y O U ページ15

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「ねぇ、でも、だるくんって確か、前科持ちだったよね？
しかもさぁ、それも今日、つい数時間前に犯した罪なんだよ？
まさか、もう、あの衝動的な事件のこと忘れたとか？」



『…ｯｽｩ、あー、その話、また掘り返されちゃう感じなんや。
えっ、もしかして、ずっと密かに根に持ってたりする？』



「んー、いや別に、根に持ってるとかではないけど…
ただ私の中でだるくんは執行猶予中の犯罪者って認識なだけ…」



『えっ、執行猶予中ってマ？俺って無罪放免じゃなかったん？
てか、お前酷すぎん？その言い方はマジでかなりトゲあるぞ！』




まさか自分が執行猶予中だったとは思ってもいなかったらしく
慌てて、背後から私の体を放すと私の顔を覗き込むように
だるくんが座ったまま正面に移動してきて…




「トゲっていうか、ありのままの事実を伝えただけでしょ…？」



『うーわ、待って？てか、その事件また掘り返されるんなら
さすがに俺もさっきとは置かれてる状況も変わってきてるし
こっちサイドからも異議申し立てするチャンスくれや…』



「へぇ、何か他に申し開きの余地がある、とでも？」



『あー、あるね！そりゃもう、大義名分なやつがな！』



「えー、絶対嘘だ。特に無いけど虚勢張って見せてるでしょ？」



『いいや、有るね！絶対に有る！てか、あれやな？
お前、まだ俺についての解釈ってやつがなってないわ』




嘘だと言い張る私と有ると言って絶対退かないだるくん。
またよく分からない言い争いがここにきて勃発してしまって…




「あははっ、本当ウザい！そこまで帰って欲しくないって事？」



『んふふ、ウザい？でも、残念ながら俺はこういう奴なんよね
だから、最初にちゃんとお前にも教えたつもりやったけどね？
俺の本気度知ってから後で絶対に後悔だけはすんなよ、って
ひょっとしてアレ、質の悪い冗談か何かやと思ってた？』



「あー、それは、うん、確かにそう聞いたかも」



『ほらぁ！じゃあこれ、別に俺なんも悪くないからね？』



「そっか、じゃあ、私の解釈が浅かっただけってことになるね」



『んへへっ。まぁ、そうね。間違いなくそうなるやろね？』




この勝負、もうほぼ俺サイドに軍配上がったんとちゃうか？
なんて言いながら、余裕綽々にニヤリと唇の端を持ち上げて
だるくんが高々と勝利宣言をした事により、どうやら、
私の負けはこの時点で確定してしまったらしい。




「でも私、こうなると思って無かったからお泊りの用意なんか
何一つとして持って来てないんだけど、どうしようかな…」



『んー、そうやな。まぁ、でも服は俺の貸してあげれるし
歯磨きとかそういうのは買い置きとかあるから大丈夫でしょ？
ってなると後、残ってる問題としては女子に必要な物って事か』




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