7 Days Wonder ..

#DAY 4. I don't care. ページ15

.




すでに30分近く飛行機に乗り、
途中で飲み物が用意されてくると
健太と二人で、



何、飲もっか？



なんて、わいわい騒いだりして
話は弾み終始会話が途絶える事は無かった。


話せば話すほど彼の優しさや
明るく面白い人柄がよく伝わって、
私は飽きることなく
充実した時間を機内で過ごせていた。


きっと、一人だったら
今ごろ無理矢理に眼を閉じて
眠った振りでもしていたに違いない。


すっかり馴染んだ機内で、
笑いっぱなしの会話に少し疲れた私が
うとうと眠気に襲われてることを察したのか
健太が不意に、



『ナナ、眠い？』


『眠かったら、俺の事は良いから寝な…？』



あっ、そうだ！
健太のお勧めミュージックでも聞く？
すっげぇ眠くなんのあるんだって



なんて、自慢気にジャケットのポケットから
スマホとイヤホンを取り出した健太は
イヤホンを片方、私に貸してくれた。


そこからは、
二人でずっと音楽を聞きながら
お互い好き好きに雑誌を読んだり
携帯を弄ったりしていた。



『ナナ、大丈夫？』


『そっち、寒くない？』



最終便に乗っているため仕方ないとはいえ
段々と夜が更けてくると
機内にしっかりと暖房がかかっていても
上空の冷えきった空気は
窓際の私を容赦無く冷やしていく。


用意されたブランケットだけでは
少し物足りなくて、



「んー、実は、さっきから少し寒くて…｣



健太からの問いかけに
苦笑いでそう返事をすると、
彼は予想通りの返事が聞けたのか



『あー、やっぱ、寒いんだ』


『じゃあ、俺と席変わる？』


「えっ、ううん、大丈夫」


「そこまで寒くないよ、平気平気！」



どこまでも優しい健太の心遣いが嬉しかった。
だけど、さすがにそこまでしてもらうのも
申し訳なくて、遠慮すれば…



『あー、そう？』


『えっとー、じゃあ、こうしよっか』



私の言葉に少し首を傾げたかと思えば
今度はやけにニヤニヤと楽しそうに笑って
自分のブランケットを半分私にかけると、



『これなら寒くないっしょ、大丈夫？』


「えっ、ああ、うん…｣


『そっか、良かった』


『じゃあ、俺もちょっとだけ仮眠しよっかな』


「………っ！」
(え、ちょっと待って？)



これって、確信犯？
それとも、無意識？



ブランケットを半分私に貸してくれた健太は、
そのまま私の頭を自分の肩に凭れるようにすると、
彼自身も私の方へと体を寄せて丸くなった。





.

#DAY 4. I don't care. 2→←#DAY 3. In fact. 5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す