7 Days Wonder ..

#DAY 2. Flight. 2 ページ7

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健太との度重なる偶然も手伝って
すっかり打ち解けた私達。


聞けば彼は今回仕事の休みを利用して
地元・沖縄に帰省するそうで
一週間ほど滞在するらしい。



『本当は"与那嶺瑠唯"って、地元の幼なじみと』


『一緒に帰る予定だったんだけど』


『俺だけ急遽、仕事入っちゃったからさぁ…』


『それで、俺だけこの時間の飛行機ってやつ』


「ああ、そうなんだ｣
(じゃあ旅行って訳じゃないんだ)



もしかしたら
彼も一人旅かもしれない。



なんて、淡い期待は脆くも崩れ去った。
これだけ偶然が重なったのだから
どうせなら彼も一人旅だったら
良かったのに。


そうすればお互い、
お一人様同士仲良く沖縄を
一緒に旅する事も出来たんじゃないか、って…



｢………。｣
(って、そんな上手くはいかないよね)



勝手に脳内に描き出した自分の想像と
現実が少し違ったくらいで
こんなに落ち込むなんて情けない。


無意識に出会ったばかりの彼へ
そこまで期待してしまった自分に
思わず苦笑いを浮かべながら
一人、溜め息が漏れていった。



「地元に帰省かぁ…｣


「じゃあ、久しぶりに友達と遊んだりするんだね」


「いいなぁ、楽しそう｣



ぽつり、呟いたのはそんな本音。
沖縄というリゾートにたった一人
しかも、頼れるのは自分だけ。


そんな事を想像しただけで
少し不安が胸を過る。


苦笑いで呟いた私の言葉に
健太の顔色は少し影を帯びると
心配そうな目をして
私をただじっと見つめた。



『ナナ、大丈夫…？』


「え、大丈夫だよ？どうして？｣



なんて、嘘ばっかり。
本当は寂しくて仕方なくて
今すぐこの場から逃げ出したいくせに
素直になれない自分。
すごく、可愛くないと思う。


だけど、彼には婚約者に振られた挙げ句
一人で傷心旅行に行くなんて
健太には知られたくなかった。



『いや、別に俺の気のせいかもしれないけど…』


『何かナナ、泣きそうに見えたから』


「…健太｣
(本当に優しい)



ストレートに言ったら
きっと私が傷付くと思ったのだろう。


必死に言葉を選びながら
ゆっくりと優しい口調で問いかけてくる。


そんな健太の姿はやけに印象的で
その優しさが胸にじんわり、と染みた。



『ANA467便、沖縄行きにご搭乗のお客様』


『大変長らくお待たせ致しました…』



ちょうど、そんな時だった。
ようやく搭乗ゲートが開くアナウンスが流れ、
私達と同じく時間を潰していた人達が
ぞろぞろと席を立ち、
ゲートに向かい歩き始める。




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