7 Days Wonder ..

#DAY 1. Nice to meet you. 4 ページ5

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｢え、あれ、チケットなら確か此処に…｣



さっきジャケットのポケットに
勢い任せに突っ込んだはず…


慌ててポケットの中を探り
確かめてみれば、
確かに先程はあったはずのチケットが
無くなっていた。



「あれ、本当だ、無い…｣


「あ、さっき屈んだ時に落ちたのかも…！｣


「すいません、わざわざ拾ってもらって…」


『あー、いや、俺別に拾っただけなんで…』


『けど、早めに気付いて良かったっすね』



ぺこり、とお辞儀をしてお礼をすれば
畏まった私に戸惑ったのか
少し照れたように口元に手を置いて
締まりのない表情をする。
そんな、彼の口から出てきたのは優しい一言。



｢………。｣
(この人、嫌いじゃないかも)



何となく、単純にそう思った。
まだ名前すらも知らない彼に
どうしてそんな風に意識したのかは
分からなかったけど…



『沖縄に旅行？』


「ああ、はい、そんな感じですね…｣


『へぇー』



拾ったばかりのチケットを
私にすっ、と差し出した彼は
その際にちらっと目にした
便名と行き先を見た途端…



『……あ、』


『これ、俺と同じ便だわ』



奇遇な事に同じ便に乗る予定だったらしく
その事実を知るなり、
彼はサングラスの奥に潜めた目を輝かせて
くしゃりと表情を崩して笑った。
そして、



『えっと、和泉ナナさん…？』


『俺、神谷健太っていうんだけど…』


『せっかくだから、』


『搭乗時間まで二人で話さない？』


「えっ、ああ、はい…｣



航空券に印字された私の氏名を
目を凝らしながら確認すると
淡々と自分の自己紹介をしたかと思えば
さりげなく自然に砕けた話し方に持っていく。


その親しみやすい独特な話口調と、
くしゃり、と笑う彼の姿に乗せられるように
私は首を縦に振り、頷いてしまったのだった。








7 Days Wonder

＃DAY. 1 Nice to meet you.









▽ストック無くなろうが、気にせず出します。
新しくこちらも始めました。笑
時期外れですが、
こちらも７話完結の予定です。


こんな時期なので、少しでも
皆さんの時間潰しになれば幸いです。


お話の続きが気になる方は、
是非お気に入り登録・高評価を
してくださると嬉しいです。

感想も良かったらお聞かせください。



やよい



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