7 Days Wonder ..

#DAY 6. Perfume. 5 ページ31

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同じ景色でも一人だと
こんなに違って見えるんだなぁ…


健太と離れて一人になったら、
忘れかけていた孤独感がまた私を襲うから
必死になって明るく平気な素振りをする
そんな自分に虚しくなる。


一人だと何をするにも辺りの目が気になって、
結局その場に立ち尽くしたまま
動くに動けなくなってしまった。



「……え、あれ？」
(守り神がシーサーなんだ！)



そんな時、少し先に見えた神社の守り神。
狛犬ではなくてシーサーがいる事に驚いて
さすが沖縄、なんて一人興奮して
そそくさとその守り神に向かおうとすれば…



『ねぇ君、クリスマス近いのに一人で旅行？』


『可愛いのに勿体無いね』


「…は？」
(何て言ったの？)


『そうだ、俺達と一緒に遊ぼうよ』



突然、両サイドを
知らない外国人男性の二人組に
囲まれてしまった。


挙げ句、気安く肩を抱いてくるし
早口で何か言ったかと思えば
勝手に私をどこかに連れ出そうと
強引に肩を抱いたまま歩きだそうとする。



「ちょ、ちょ、ちょっと待って…！｣


「一体、どこに連れて行くつもり？｣
(駄目だ、力が強すぎる)



拒否する間もなく、
さっさと移動し始める
二人組の男性の意図が読めずパニックになり


慌てて身体を捩り、
その場に留まろうと必死に食い下がる。


だけど英語では無く、
日本語で話したところで
彼等には伝わらずに
されるがままに連れていかれそうで…



「…止めて、離して！」


『良いから、こっちで話そうよ』


「や、ちょっ、誰か…！」
(どうして誰も助けてくれないの？)



ぐいぐい引っ張ろうとする彼等に
連れていかれないように
必死に掴まれた手を何とか振り払おうと試みて
誰でも良いから助けて欲しくて
辺りを見渡しても、何故か知らん振りで…



「やだ、健太、助けてっ…！｣



気付いたら無意識に
口にしていたのは、彼の名前…


知らない土地で私が頼れる唯一の人物である
健太に助けを求めてそう叫べば、



『この子、俺の連れだから…』


『勝手に連れてくなよ』


「…っ、健太！｣
(本当に来てくれた)



私を掴んでいた男の手を振りほどき、
間に割って入ってくれのは
やっぱり彼の姿だった。


少し怒りを含んだ口振りでそう言って
凄んで見せた健太は、
そのまま私を自分の背に隠すようにして立つと
サングラス越しに男達二人をじっと見据えていた。





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