7 Days Wonder ..

#DAY 3. In fact. 2 ページ11

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｢………。｣
(彼女をもっと知ってみたい)



何となくだけど、
出会った瞬間にそう感じた。


まずは、空港ラウンジで
当たり障りの無い会話から始まった俺と彼女。


段々、会話を交わしていく内に
同い年だと分かり、
度重なる偶然に打ち解けだした頃、
ようやく機内に乗り込める事になり、



『じゃあ、私、此処だから…』


「あー、そっか、俺の席あっちなんだよなぁ…」


『うん、分かった…』



機内に入ってしまえば、
彼女とはもう離れ離れになる。


そう思うと、何だか悲しくて
離れがたく感じる自分が居た。


だけど、じゃあ沖縄に着いたら
彼女と一緒に過ごせるのか？


そう問われると
せっかく久しぶりに会える地元の仲間や
家族との再会を棒に振る事は
さすがに出来ない気がした。



「じゃあ、また後で…」


『あ、ねぇ、ちょっと待って！』



後ろ髪を引かれる想いで渋々そう言って
彼女の元から離れようとした瞬間、
引かれたのは後ろ髪では無くて俺の腕だった。


力強くぎゅっ、と俺の腕を掴む彼女の手に
戸惑いつつも視線を向けて、
ゆっくりゆっくり彼女へ
視線を移していけば…




『私の隣、多分、空席だと思うんだ…』


「…えっ？」


『実は、間違ってもう一枚買っちゃって』


「…ははっ、マジで？」
(そんな事ある？)


『うん、馬鹿だよね…』


『でも、私、もう少しだけ健太と話したい』


「……っ、」
(そんな顔すんなよ)



彼女の口から出てきたのはそんな一言。
俺の視線から逃れるように
少し俯いた彼女の表情は暗く
どこか影を落としているようで
俺は少し混乱した。






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