That's wrong ! 2 ページ13
.
｢ねぇ、私…｣
｢慎の"妹"じゃない！｣
ずっと後ろ姿しか見てこなかった慎が
今はこうして隣で肩を並べて歩いている。
しかも、少し視線を落とせば
私の手をしっかりと握りしめる
慎の手が確認できる。
ようやく対等になれたかもしれない
そう思った途端に、
”妹”扱いされるなんて納得できなかった。
だから少し声を大にしてそう言えば、
慎は前を向いたまま
あっさりと私にこう言ったんだ。
『俺だって、』
『ナナみたいな"妹"、無理だし』
そう言ってから、
横目でちらっと私の反応を確かめる。
慎のその表情はまたニヤニヤと
嫌みなまでの笑みが浮かんでいて、
｢もう、まこっちゃんの意地悪、嫌い！｣
(ムカつく)
本人は無意識にやってる事だろうけど、
まんまと手のひらの上で上手く転がされている
そんな自分が嫌になって、
その怒りの矛先は慎へと向いた。
そして、心にもない台詞を口にした私。
でも仕方ないじゃない。
これでも世間では
”国民の妹”で通っている歌手なのに
慎は『無理』と、はっきり言い切った。
さっきまでは荷が重いだとか、
散々その肩書について文句を言っていたくせに
最後には結局、その言葉に縋ってしまう自分は
やけにちっぽけな存在に思えた。
思わずそう叫んで
手を振り払おうと試みたものの
思いのほかしっかりと繋がれたその手は
簡単には離れなくて、
『いや、だから、そういう意味じゃなくてさ…』
『俺にとってナナは"妹"っていうより』
『その、何だろ、普通に女友達っていうか…』
『まぁ、仲間とか、そっちの印象の方が強いし…』
『だから、今更"妹"としては見れないってこと』
俺の言ってる意味、分かる？
なんて、やけにはっきりとした口調で
そう断言した慎の目はいつになく真剣で、
思わずその顔にまた見惚れてしまった。
いつだってそうだ。
私ばっかり慎を好きで
こうして些細な一言に一喜一憂しては
突然、どん底に突き落とされたりする。
どうせ後で傷付くのは私だけなんだ。
だから、慎のこんな言葉にも
いちいち期待しちゃいけないって
頭ではちゃんと分かってる。
でも、
.
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やよい(プロフ) - ゆきさん» こんばんは、コメント下さってありがとうございます！樹くん私も書いてみたいんですよ！でも上手く書けるか自信が、、笑 とりあえず頑張ってみますね！ (2020年5月6日 20時) (
レス) id: d71a83f78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私が想像する慎っちゃんにとても近くて、頭の中でそのシーンを想像しながら読んでいました。今度はいっちゃんを描いてくれたら嬉しいです。これからも更新頑張ってください。 (2020年5月3日 20時) (レス) id: c15c7607a9 (このIDを非表示/違反報告)
Hinata_katayose(プロフ) - やよいさん» いえ全然大丈夫ですよ！！！ こちらこそありがとうございます（ ; ; ）2回目ですがお身体にはお気をつけてください>_< 応援してます！！！ (2020年4月12日 0時) (レス) id: 92023f5cc3 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - Hinata_katayoseさん» こんにちは、すいませんコメント見落としてました。泣 こちらこそ本当にいつもコメント励みになってます！ありがとうございます！沢山の感謝を込めてこれからも頑張っていきますね！ (2020年4月11日 13時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
Hinata_katayose(プロフ) - やよいさん» すごいですね、。大変ですよね(汗) お願いします！笑 いつもたくさんの更新本当に感謝してます‥(TT) (2020年4月4日 8時) (レス) id: 92023f5cc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月28日 23時
