True love stories 10. ページ48
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会場の中に入れば、
世話しなく片付けを始めるスタッフが
私達に気付き、ふいに手を止める。
だけど、特に気にする素振りも見せずに
直ぐ様また作業を再開させていた。
｢……………。｣
(まだ夢を見てるみたい)
地に足が付かない。
そんなふわふわした感覚で
あちこち辺りの光景を眺めていたら
ふいに彼が足を止めて
私に向き合うように立つ。
『…………。』
「…え、何？｣
じっと私を見つめて神妙な面持ちの彼。
何か言いたそうなその表情に、
きょとんとした表情を返して問いかければ…
｢ちょっ…！｣
捕まれていた腕は一気に引かれ、
勢い任せに飛び込んだのは勿論、彼の腕の中。
辺りにスタッフが居ようが居まいが
そんなことは関係無い
そんな様子でぎゅっ、と
背中に回った腕の力が強くなる。
『なぁ、あれが返事って思って良いの？』
ぽつり、と少し掠れた声で
私の耳元に顔を寄せ、そう問いかける彼。
その言葉に、顔から
火が出てしまいそうな程
熱くなった。
「いや、あれは
(やっぱり見えてたのか、恥ずかしい)
問いかける彼に対して口から出たのは、
また可愛いげの欠片もない台詞。
確かに、あれは後輩から無理矢理
渡されたメッセージボード。
だけど今回は、
本当に彼に伝われば良いと願って
私の意思で持っていた。
そんな私の天の邪鬼な言動に、
ピクリ、と反応して顔を上げた彼の鋭い視線が
突き刺さるように一直線に私に向けられる。
『
「あの、それは、何て言うか、その…」
『なぁ、
「いや、えっと、だから…｣
(ヤバい、怒らせた？)
『ああ、もう、ほんま…』
「……うっ｣
(確かに、今のは可愛くない)
溜め息を吐き、
呆れ果てた彼の姿に
ほんま、可愛気のない女やな
と、そう言われてしまいそうで。
じっと真剣な表情で私を見つめてくる彼に
私も覚悟を決めて、
そっと彼の背中に手を回してこう言った。
｢あの、ごめんなさい…｣
｢私も、その、えーっと…｣
｢"壱馬"のこと、大好きだよ｣
｢さっきの可愛くなかったよね、ごめん…｣
ずっと、言いたくても言えなかった台詞。
初めてきちんと口にした彼の名前にすら
何だか目眩がして、
今にも心臓が爆発してしまいそう。
羞恥心が先行した私は、
彼の顔をはっきりと確認出来ないまま
彼の肩にぽすっ、と顔を埋めた。
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やよい(プロフ) - 愛さん» 遅くなってごめんなさい！最後まで読んで下さって嬉しいです。本当にありがとうございます！北ちゃんのお話もマイペースに更新しますので良かったら、お付き合いください。 (2020年4月3日 21時) (
レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 無事くっついてくれてよかったー！後輩ちゃんがいい子でほっとしました（ ; ; ）ほくちゃんとまこのお話も楽しみにしてます(^^) (2020年4月1日 5時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 壱馬の息子さん» こんばんは、お返事遅くなってごめんなさい！続編、ありがたいお言葉です(^^)今持ってる連載片付いたら一度チャレンジさせて頂きますので上手く書けたらまた更新させて頂きますね☆ (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - あんさんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！続編待ってくださる方がいらしたら是非ともチャレンジさせて頂きます！笑 上手く書けたらまた更新したいと思いますので少しお待ちくださいね(^^) (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» 最後までお付き合いありがとうございました！続編、少し考えてみたいと思います！とりあえず今持ってる連載片付いたら一度チャレンジしてみますね。笑 (2020年3月29日 19時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月23日 19時
