Love is … 4 ページ36
.
｢…………。｣
(知れば知るほど好きになる)
ほんの些細な仕草ですら、
愛しく感じてしまうなんて恋は本当に盲目だ。
ただ此処に彼女が居るだけで緩む口元を
何とか引き締めて彼女を見つめれば、
『今日は何かごめん…』
『疲れたでしょ？』
「………、｣
(ほら、こういうとこに惚れたんやって)
二人きりになるとさりげなく
こうして気を遣ってくる辺りが
やっぱり年上の彼女らしい。
遠慮がちに笑って問いかけた彼女に
また好きな気持ちは募っていく。
もし俺の体の中に
恋愛のタンクがあったとしたら、
今頃きっと溢れてるに違いない
なんて想像したら少し可笑しくて
ふっ、と小さく笑えば、
『え、待って、何で笑うの…？』
突然笑いかけた俺に彼女は理解出来ない、と
でも言いたそうに眉間に皺を寄せて
怪訝な顔を見せた。
そんな彼女にまた胸がきゅっ、と
締め付けられてしまうから、
「いや、別に笑ってないって…｣
『もう、だから、笑わないでってば…』
悪戯に笑って誤魔化した俺に
彼女がムッとした表情をしたから
ついつい掴んでいた手を軽く引っ張った。
すると、彼女は簡単に俺の腕の中に収まり
言葉を詰まらせた。
『……っ！』
「…あははっ！｣
(想像以上のリアクションやわ)
抱き締めた腕の中、
そっと顔を近付けて覗き込めば
まるで石にでもなったかのように
ガッチガチに緊張している彼女が目に映った。
真っ赤な顔をして、
じっと動かない彼女がツボに入ってしまい
声に出して笑ったら、
『ねぇ、明日…』
『本当に行っても良いの？』
なんて小さな声で
恐る恐る問いかけた彼女が可愛くて
抱きしめていた力を強くした。
すると彼女も遠慮がちに
そっと俺の背中に腕を回したから
俺はこっそり彼女に見えないように
口元を緩めて笑いながら少し嫌味っぽく、
「いやいやいや、行っても良いのって、さ…｣
「最初から来てって、俺ずっと言ってるやん」
「それに、まだナナの返事も聞いてないし｣
「今更ドタキャンとか、ほんまにやめてな？」
そう言って、彼女の顔を覗き込めば
『しないってば、そんな事…』
と、照れながら苦笑いで俺を見つめた彼女が
やっぱり可愛くて仕方なくて、
日増しに惚れた欲目が強くなっている自分に
少し呆れてしまうほどで、
「明日は、ナナの為に歌うから」
「ちゃんと俺のこと見ててな」
なんて、臭い台詞も
すんなり言えてしまう自分がいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 920人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やよい(プロフ) - 愛さん» 遅くなってごめんなさい！最後まで読んで下さって嬉しいです。本当にありがとうございます！北ちゃんのお話もマイペースに更新しますので良かったら、お付き合いください。 (2020年4月3日 21時) (
レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 無事くっついてくれてよかったー！後輩ちゃんがいい子でほっとしました（ ; ; ）ほくちゃんとまこのお話も楽しみにしてます(^^) (2020年4月1日 5時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 壱馬の息子さん» こんばんは、お返事遅くなってごめんなさい！続編、ありがたいお言葉です(^^)今持ってる連載片付いたら一度チャレンジさせて頂きますので上手く書けたらまた更新させて頂きますね☆ (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - あんさんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！続編待ってくださる方がいらしたら是非ともチャレンジさせて頂きます！笑 上手く書けたらまた更新したいと思いますので少しお待ちくださいね(^^) (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» 最後までお付き合いありがとうございました！続編、少し考えてみたいと思います！とりあえず今持ってる連載片付いたら一度チャレンジしてみますね。笑 (2020年3月29日 19時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月23日 19時
