Chill out 2. ページ23
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『壱馬は手伝いに行かないの？』
「何で、俺が行かなあかんねん…｣
(相変わらずニヤニヤしやがって)
『そんな意地張ってると樹に奪われるよ？』
「はっ！？｣
(あいつは、関係無いやろ)
顎でくいっ、とキッチンを見るように
合図しながらにやりと嫌味な笑いを浮かべる。
そんな北人の台詞に俺は度肝を抜かれて
目を見開いて樹を凝視した。
すると、北人は樹に視線を向けたまま
遠い目をして言った。
『樹はまだ気付いてないみたいだけど…』
『多分、樹、ナナさんに惚れてるよ？』
「……え、｣
(嘘やろ？)
切ない表情を作り、目を細める。
そんな北人の姿を見る限りでは
冗談半分に言ってる訳じゃ無さそうだ。
確かに、見た感じ樹は彼女と仲が良い。
悔しいけど、俺よりもずっと。
複雑な感情に苛まれ顔を歪めた俺の姿に
北人はふっ、と息を吐いてから得意気に笑うと
すぐに真剣な表情で、
『俺の知ってる壱馬はさぁ、｣
『いつも余裕綽々って感じで』
『割と勝ち気な性格だった気がするけど…』
最近の壱馬、少し違うよね。
と、しみじみした様子でそう言った。
「……っ、」
(そういえば、確かに)
言われてみれば、ほんまにそうやな。
なんて、そう感じる事ばかりで
俺は思わず目を細めてしまった。
ナナと出会ったばっかりの頃みたいに
自由奔放に動ければどんなに楽か。
そんな風に過去を懐かしめば、
ふといつか淳さんが言ってた言葉が
頭に浮かんでは消えていった。
『苦労しない恋愛なんて、つまんないでしょ？』
『例えばさ、簡単に手に入っちゃう物って』
『誰も皆、そこまで執着しないしさ…』
『手に入らないからこそ、欲しいって』
『こぞって必死になる訳でしょ？』
『だから、壱馬がそうやって苦労した分』
『それが彼女に本気になった証、って事だね』
簡単には、手に入らない、
まさに今が、その言葉の示す通りの状況だ。
頭にしっかり刻み込まれたその台詞に、
気付かされた事がある。
それは、
「なぁ、北人｣
『……ん、何？』
「確かに、お前の言う通りやわ｣
(何をそんな弱気になってたんやろ)
最初から簡単に上手くいく筈ない事なんか
俺だって、とっくに分かってたやろ。
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やよい(プロフ) - 愛さん» 遅くなってごめんなさい！最後まで読んで下さって嬉しいです。本当にありがとうございます！北ちゃんのお話もマイペースに更新しますので良かったら、お付き合いください。 (2020年4月3日 21時) (
レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 無事くっついてくれてよかったー！後輩ちゃんがいい子でほっとしました（ ; ; ）ほくちゃんとまこのお話も楽しみにしてます(^^) (2020年4月1日 5時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 壱馬の息子さん» こんばんは、お返事遅くなってごめんなさい！続編、ありがたいお言葉です(^^)今持ってる連載片付いたら一度チャレンジさせて頂きますので上手く書けたらまた更新させて頂きますね☆ (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - あんさんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！続編待ってくださる方がいらしたら是非ともチャレンジさせて頂きます！笑 上手く書けたらまた更新したいと思いますので少しお待ちくださいね(^^) (2020年3月29日 20時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» 最後までお付き合いありがとうございました！続編、少し考えてみたいと思います！とりあえず今持ってる連載片付いたら一度チャレンジしてみますね。笑 (2020年3月29日 19時) (レス) id: 0adcf1b39f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月23日 19時
