カタオモイ・チェーン-過去編- (ページ3)

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過去2-完璧なロボット少年- ページ3

幸次と初めて話したのは、健一がうちにアイツを連れて来た時。

幸次は無口で、俺と目を合わせようともしなかった。

幸次も、他と同じような目で俺を見ていたと健一は言う。

「幸次、お前少しは喋ろうぜ？」

「……だってあれじゃん」

健一は、必死に幸次を説得しようとした。

だが幸次は揺らがない。それが声で読み取れた。

「『ロボット少年』って言われてんだぞ？もししゃべったら…

アイツ完璧だから、バカにされると思う」

周りはそんな風に思っているのかと痛感した瞬間だった。

気づいたら、目から雫がこぼれている。

自分でもその理由は分からぬまま泣き続けた。

俺には分からない。自分が泣く理由が。

周りが俺をそこまでして避けたい理由が。

もう、外の声が耳に入らない。声だけじゃない。音も、聞こえない。

どんな言葉も、美辞麗句にしか思えない。

目の前が暗くなる。ドアにてもたれかかって、うずくまった。