目が覚める数秒前3

第139話 ページ41

そうでござる。ファウストのファイトでの
A殿の行動…それから考え出た仮説
は、否定できていないでござる。

そして、今回も…もし、分かっているの
ならA殿は…


「アイツ、1人で背負っちまうからなー」

「…そうで、ござるな。」


…仲間を大事にすることに全力を尽くす
ものだから、自分は疎かになってしまう。
そのくせ、黙って守られてくれないもの
だから参ってしまうでござる。


「…今度は、無茶する前に止めねーとなー」

「ふ…それは、A殿から目が離せない
でござるな。」


いつも唐突で突拍子もなくて一つ決めたら
1人で突き進んでしまう。まるで、猪の
ような女子でござる。

『猪?!…むぅ…阿弥陀丸っ』

きっと、それを本人に伝えればむくれて
しまうかもしれないでござるな…

頬を膨らませて見上げるA殿は、
幼く見えて愛らしいが…それも伝えたら、
なんと言うでござろう?

頬を赤らめて照れてしまうでござろうか?
…想像しただけで口元が緩んでしまう。


「…うぇっへっへ。阿弥陀丸って、A
事本当に好きだよなー」

「いや…はは…んん?!!よ、よよ、葉殿!!
何故それを?!!/////」

「ん?…うーん。Aが4日倒れて、
阿弥陀丸がAから離れなくなったのを
見た当たりからー」

「結構前でござる?!!」///


…いや、その前に…っ
拙者、そんな前からお慕えしていたので
ござるか?!己でも、いつからこの想いを
抱いたのか分からなかったのだが…
さすが葉殿!!!!

…って、違うでござる!!!!


「よ、葉殿!拙者は…っ」

「オイラは、阿弥陀丸がしたいように
すればいいと思うんよ。きっと、Aも
それを望んでると思うしお互いタイミング
だってある…それにー」

「？」

「…阿弥陀丸に取られたって、アンナが
ブチギレるのは先延ばしたい…とオイラは
心の隅で思ってたんよ…すまん。阿弥陀丸。」

「…?!」


「アンナ、Aのこと気にいってるからな
ー」と呑気に言ってはいるが、一瞬青ざめた
葉殿を拙者は見逃さなかった。

確かに、アンナ殿はA殿を気に入って
おられる。それは、妹の様に可愛がっている
のだから…男…ましてや、霊に好かれている
だなんて知られたら…


「…。」


いや…考えるのは、後にするでござる。

今は…蓮殿の救出と、A殿を守る
事に集中して…絶対に、あの日の様に傷を
付けぬように。


「…まあ、何とかなるって！」

「…そうでござるな！」


絶対に、守ってみせる。

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