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第103話 ページ5

そろっ…と、手から顔を出し葉明さんを
見る。優しそうに笑う葉明さんは、
何となく葉君に似ていてホットした。


「…葉明さん。私、強くなりたいんです。」

「…ほう。」

「…今回、友人が人質に取られたのも…
私の心が弱いから。迷いや…焦りがそんな
スキを作ったからなんです。」


あの時の事を考えて思う。

もし、あの時早く出ていれば…
骸骨達をスグに倒していたら…

そんな後悔は、もうしたくない。


「私は…
もっと強くならなきゃいけない。」


これから先、葉君たちに降りかかる
ものから守るために。私は、強くなりたい。

葉明さんの顔を真っ直ぐ見つめて、
その思いを伝える。さっきまで、
ニコニコ笑っていた葉明さんもいつの間に
か真剣な顔で聞いてくれていた。


「Aさん…君は、なんでこの
ファイトに参加しているんだい?」


そう問いかける声は重い。
だが、答えなんてもう出ているのだ。


「私は…この先を自分の目で
確かめるためです。」


…そう、この夢をまだ見ていたい。
出来れば彼らの傍で。
もし覚めてしまっても、悔いなんか
残したくないから。

これは、私のワガママ。
そして、私の夢。


「…ふむ。」


何かを考えるかように目を閉じた
葉明さんを私は、ただ見つめていた。

言葉にするのは、苦手なんだ。目は口
程にモノを言うというし、まだ伝えきれ
ていない部分だってあるから目で訴える。


「…分かった。君を鍛えてあげよう。」

「!!」

「5日だ。5日で鍛えてやる。
生半可な気持ちで挑めば大怪我を
するからな。覚悟するように。」

「は、はい!ありがとうございます!!」


あまりの嬉しさに目元が熱くなる。
ああ、伝わったのだろうか。と思うと
本当に泣きそうだ。下げていた頭をあげ
改めて「よろしくお願いします!」と
頭を下げる。満足そうに「うむ」と
返事が聞こえ、やる気が足の方から
湧き上がってきた。


よし!!絶対、強くなる!!
そしたら、みんなを守るんだ!!!

でも…

その時は、知らなかったんだ。

アンナさんの特訓の比じゃない
ぐらいの地獄が幕を開けた事を…





((よし。じゃあまず、目隠しをして…))

((はい!!))

((うむ…ほいっ))

((ぐはっ?!))

((…何をしておる。よけんか。))

((へ?!あっ…は、はいぃ!!?))

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キティさん(プロフ) - サヤノさん» 夢に友情に恋…そして壁!!大切な物が増えたからこそ悩み、気づく。そんな気持ちの成長は若い内にしか出来ないのかもしれません…道家では何が起きてしまうのか、見守ってあげて下さい(*^^*)いつもコメントありがとうございますっ! (2021年5月29日 19時) (レス) id: 0f028ec816 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 今度は蓮を助けるために修行して、その時は蜥蜴郎と馬孫を紹介しておくように、ヒロインさんも好きな人を守る番です、道家の悲劇と過ちは何かあります。 (2021年5月25日 5時) (レス) id: 83edd54df0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - キティさんさん» はい!更新ファイトです! (2021年5月24日 18時) (レス) id: a078323fa5 (このIDを非表示/違反報告)
キティさん(プロフ) - 名無しさん» まさかの同士が…っ!!コメントありがとうございます!阿弥陀丸好きな方、中々いらっしゃらないので嬉しいッ(*^^*)良かったら、これからも見守ってやってください…! (2021年5月24日 8時) (レス) id: 0f028ec816 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 阿弥陀丸推しなのでこの小説すごく好きです! (2021年5月24日 7時) (レス) id: a078323fa5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キティさん | 作成日時:2021年5月13日 14時

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