目が覚める数秒前3

第128話 ページ30

「「「かんぱーーい!!」」」


みんなの掛け声と共に重なるグラス。

ワイワイといろんな方向から聞こえる
会話を聞いて改めてこの世界に来たんだ
と実感してしまった。


「ああっ…生きてて良かったっ」


みんなのジュースをつぎながら幸せで
いっぱいになった胸をなでる。

だってだって!アンナさんとピリカちゃん
の睨み会いとかホロホロと蓮君と葉君の
絡みとか…っアニメと違うのは木刀の竜
がいる所かな?!もうっアニメとオリジナル
なんて…っ最高か…っっ!!

しかも玄関での阿弥陀丸ときたら…!!

思い出しただけでも口から心臓でちゃうっ
何あの『拙者も構って欲しいでござる』
みたいな顔…?!反則でしょおおおッ?!

思わず抱き着いたら背中に阿弥陀丸の
手が回ってきてホールド(?)されたし…!
可愛いからかの…イケメン…!!!

幸せがてんこ盛り過ぎて見てるだけで
お腹いっぱいになっちゃうよ!


「はぁーッ…」//

「…おい。牛乳がもう無いぞ。」


満足すると人間ため息がでるんだなあと
思っていると、いきなり目の前に飛び込
んできた空の牛乳ビン。

牛乳と言えばあの人しかいない。


「はーい!2杯目も牛乳でいいのかな？」

「ふん。まあ、悪くない。」


持ってきてほしいと頼んでる側のはず
なのに、何故か威張る蓮君が微笑ましい。

うん。さっきの事もあって、可愛く見える
んだから眼科に行ったほうがいいのかも
しれない。...いや、脳外科か?!!

思わずデレデレしながら空のビンを受け取る
と、「デレデレするな!気色悪い!」と罵ら
れてしまった。ごちそうさまです。


「それにしても以外だよなー。蓮とAが
知り合いだっていうんだからよ!」


その様子を見ていたホロホロが心底驚いた
ように話し出す。

…まあ、そうだよねー。蓮君の印象が悪く
ならないようにみんなには内緒にしていた
から…私がいつ会ったかは知らないかも。

でも、一番最初がアレだしなー…

思わず首の傷を確かめるよう触れる。
でも、もうなんともないようで凸凹して
いるわけでも血が滲んでいることも
なかった。

結構血が出ていたがそんなに深くなかった
し、痕もないから…別に私はいいのだけど。


「…なんだ貴様。
本当に言ってなかったのだな？」


そう話す蓮君の顔は少し暗い。

…気にしてくれてるんだろう。
なんだかんだ言って優しいんだから。

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