第109話 ページ11
「…あヤツは」
拙者が己の行いに悔いている時、
葉明殿がゆっくりと話を始めた。
その顔は真剣そのもので、思わず
その顔を見つめる。
「…彼女は、強い力を持っている。」
「…A殿、がでござるか？」
頭に浮かぶのほほんと笑うA殿。
この数日の修行をこなす姿は、そこらの
娘とは比べられないぐらい勇ましく感じ
る。だが、葉明殿がこの様な顔をする
程なのだろうか。
「そうだ…今はまだ、あヤツの力の10分の
1も引き出せていない。それを引き出す
事が出来たのならば、シャーマンファイト
において葉の強大な敵になるだろう。」
眉を潜め静かに語る葉明殿に、息を呑む。
冗談だとも思いたいが、葉明殿は真剣だ。
先程A殿がかけて行った方をじっと
見つめて「まったく。我が孫ながら、厄介
な奴に好かれおって。」と息を吐いた。
「…初めて顔を合わせた時に、その事に
気がついたのだ。そして、敵になるなら
芽が出る前にこの場で消すつもりだった。」
「なっ…」
物騒な言葉に思わず刀に手がいく。
思い出すのはファウストとの戦いの
あの光景。あの時は、党に無くなっ
たはずの心臓が止まるかと思う程
だったのだ。
もう、あの様な思いはしたくはないで
ござる。
「…そう殺気だつな。ワシは、あやつに
『どうして、ファイトにでる？』と
問うたんじゃ。」
「…。」
「…そうしたら、あヤツは…
『自分の目で、見届けるため』と
言った。」
ふと葉明殿の目が柔らかく細められる。
そして、「あヤツは、この目で見たいと
言っておった。その目が…なんだか葉の
小さい頃を思い出してな。」と優しく
言葉を紡ぐ。
厳しい言葉や修行も葉殿のためなのだ
ろう。孫が可愛くない年寄りなんて、
いないのじゃよ。と笑う目の前の
ご老人は本当にただの孫を思う
爺様にしか見えない。
「今日までの修行でもあヤツは、
葉達を大切にしている事が本当だと
感じる。その真っ直ぐな思いが、
あの子等を支えてくれるだろう。」
『…そ、うでござるな…』
今日までの修行を思い出し思わず
葉明殿から目をそらす。あんなに厳しい
修行も葉殿達…仲間の為に乗り越えてこ
れたというなら、拙者は何をここで
グズグズしているのだろうか。
A殿は、その間も己を高め前を
向こうとしているというのに。
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キティさん(プロフ) - サヤノさん» 夢に友情に恋…そして壁!!大切な物が増えたからこそ悩み、気づく。そんな気持ちの成長は若い内にしか出来ないのかもしれません…道家では何が起きてしまうのか、見守ってあげて下さい(*^^*)いつもコメントありがとうございますっ！ (2021年5月29日 19時) (
レス) id: 0f028ec816 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 今度は蓮を助けるために修行して、その時は蜥蜴郎と馬孫を紹介しておくように、ヒロインさんも好きな人を守る番です、道家の悲劇と過ちは何かあります。 (2021年5月25日 5時) (レス) id: 83edd54df0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - キティさんさん» はい！更新ファイトです！ (2021年5月24日 18時) (レス) id: a078323fa5 (このIDを非表示/違反報告)
キティさん(プロフ) - 名無しさん» まさかの同士が…っ!!コメントありがとうございます!阿弥陀丸好きな方、中々いらっしゃらないので嬉しいッ(*^^*)良かったら、これからも見守ってやってください…! (2021年5月24日 8時) (レス) id: 0f028ec816 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 阿弥陀丸推しなのでこの小説すごく好きです！ (2021年5月24日 7時) (レス) id: a078323fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キティさん | 作成日時：2021年5月13日 14時
