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『おい。起きろ。』
「うぅ...かっちゃ...まだ寝たい。」
『...おい。A。』
「かっちゃ...顔、怖い、よぉ」
「......悪かったなあ...
顔怖くてよぉ...!!」ﾎﾞﾝﾎﾞﾝ
「.....................え」
何だかクリアに聞こえるかっちゃん
の声におそるおそる目を開ける。
「よぉ。よく寝てたじゃねぇか?
...なああ?!」
やっべぇえええええっ!!!と飛び
起きれば見慣れた部屋にボンボン
と聞きなれた爆発音。
音をたどれば久しぶりの暴君だも
の。二度寝しようとしたわ。
逃げ切れなかったけどね。
「っざけんな!!!どこでもかしこで
も寝腐ってんじゃねぇええ!!」
「だって、眠くなるんだもんよ…」
「てめぇの鍛え方が足らねぇんだ
ろうが!!!何効率のわりぃ事して
んだ!!ぶっ殺すぞ!!!!」
「…効率悪いかどうか確かめよう
ないもん。とりあえずネットの
筋トレ頑張ってるけど...」
「ああん?!!!てめぇ、ふざけんな!!!
そなんじゃ、間に合うわけねぇだろ
うが!!!」
「…かっちゃーん。」
懲りずに2回目キャパオーバーして
道端でまた爆睡していた私を拾って
くれたのは...またかっちゃんだった。
本当に何だかんだ言って優しいスパダリ
かっちゃんだなあ。
お互いごめんもありがとうもなかった
けれど、二人でA4の紙にあーでもない
こーでもないと書き込むこの時間がう
れしい。
ねぇ、私そのへんの石ころより見込み
あるかなぁ?なんて、さ。
「かっちゃん。ヒーローになるなら
その暴言正さないと…」
「ああん?!!!んだとてめぇっまた
吹っ飛ばされてぇのか!??」
「顔こっわ」
いつも通り接してくれるかっちゃん
を後ろから抱きしめる。「お」と
声を漏らしピタッと固まった体に
心の中で笑いつつ色素が薄い髪に
頬ずりをした。
…ちょっと寂しかった。なんて
さすがに恥ずかしいから言わな
いけれど。いつも何だかんだ側に
いてくれるかっちゃんが戻ってき
て嬉しいから。ありがとう。
かっちゃん。
「っ...いつまで引っ付いてんだ!?!!
離れろこのちんちくりんがぁああ!!!」
「お、おおっ」
相変わらず怖い顔で怒るけれど、
実は耳が赤いのを私は知っている。
可愛いな、かっちゃん。
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作者名：キティさん | 作成日時：2020年1月19日 20時
