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山田さんの家は会社の近くの病院から車で20分程のごく普通のマンションで、俺の住むマンションから一駅の距離やった。
「コーヒー、飲んでく？」
鍵を刺し、ガチャリと音を立てて回した山田さんはちらりと俺を見た。
「んーん。そんな足なんやからお構いなく。」
ドアが開いて、小綺麗な玄関が顔を見せる。
彼女が先に玄関に入り、俺も一歩だけ中に入って「鞄、どこまで持ってこうか？」と彼女に訊ねた。
玄関にはサンダルがひとつ、靴箱の上に鍵の入ったガラスの器が置いてあった。それ以外は何もない。
「ここに置いちゃっていいよ。…ごめんね。せっかく半休だったのに。」
「全然。あ、なあ、俺これから買い出し行こうと思っててんけどなんか必要なもんとかない？
しばらく買い物行かれへんやろうし、ついでに買うてくるけど。」
それは突然思い立ったにも程がある予定で。
彼女のために何かするのに貪欲であることを悟られないようになるべく、ゆっくり、自然な口調で話した。
「え…あー、」
「あるんやったら正直に言うて。遠慮とか要らんから。」
「じゃあ…お言葉に甘えてもいいかな…？」
「もちろん。あ、LINEで買い物リスト送ってもらえへん？」
「え、あ…わかった。」
山田さんは少し躊躇したように見えたけど、バッグからスマホを出して俺にQRコードの画面を見せてくれた。
なんかちょっと…おせっかいやったかな…
なんて、勢いで言っておきながら不安になるのはやっぱりヘタレな証拠で。
いやでも、困ってるから力になってあげたいって気持ちは確かやし、同期なんやからライン交換するくらいいっか。
なんて、心ん中で言い訳をしてる自分が滑稽にも思えた。
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蒼 夢見子(プロフ) - 茜音さん» 茜音様、初めまして。有難いお言葉に胸が熱くなりました…後先考えずにがむしゃらに書いてしまった荒すぎる出来の中でふたりの互いに想い合う気持ちは一番慎重に書いたのでそう言っていただけてとても嬉しいです！こちらこそ読んでくださりありがとうございました^^ (2018年11月10日 23時) (
レス) id: d57fe18bd1 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - はじめまして。あまりにも続きが気になって一気に読ませて頂きました。描写はもちろん、ヒロインと大倉くんのお互いを想う切実さが綺麗で、思わず息が詰まりました。とっても素敵なお話をありがとうございました。 (2018年11月9日 15時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 夢見子
| 作成日時：2018年8月7日 18時
