どーも、面食いです！

syp side. ページ38

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昨日見たものが頭から離れない。

せっかくの連休やのに…と、スマホを触る。
何件か誘いの連絡が来ているが無視。俺は寝て過ごしたいんや

ふと昨日のやり取りが目に留まり、気付いたら電話をかけていた。
出たらどうしよ…と柄にもなく焦ったが、呼び出し音が切れることはなかった。
それはそれで腹が立ったから起きるまでかけてやろう。
俺だって寝たいのに、お前だけが寝てんのはずるいやん？


ぐっすり過ぎへん？なかなか出やんねけど…
鳴らしてる間 何も出来やんから、近くにおる体の細(ほ)っそいネコのぬいぐるみを触るしかない。

課題でもしてようか…と珍しく勉強に意識が向いたところで、コール音が止まった。
ついでに俺の心臓も一瞬止まった。


《なん》


完全寝起きで少し不機嫌そうな声に安心してしまい、つい笑ってしまった。


《きる》


さらに不機嫌な声で言われ、切られる前に口が勝手に約束を取り付けようとした。


《ねる》

「ええやん、遊ぼうや」

《…昨日 遊びに行ってたの知ってっしょ。
疲れてんの、寝るの、暇なら課題でもしてなさい》

「それは明日ぐらいにする予定やから」

《知らん、ずらせ》

「好きなだけ写真撮ってええから」


しばらくの沈黙。
これは勝ったな、と口角が上がった。

時間を一方的に伝えられてから切られたが、場所は先に伝えとったし大丈夫やろ。


今日は予定あるんで無理っス

チーノめっずらし!


爆速でチーノから返事が来たが、それ以上のことは知らん。
俺はAと遊ぶんや！！



早めに家を出たはずやのに、Aの方が先に待っとった。
謝りを入れるがこっちを見たまま動かない。
いつものやつかと思ったけど、半分死んだような顔で見てるからどこか変だったか心配になる。


「A？」

「うるせぇ目に焼き付けて堪能してんだ邪魔すんな」

「だんだん口悪なってきてるやん」


呼びかけると口から出てきたのはいつものAだった。
笑ってると早速 写真を撮られた。
実行早すぎん？


「んで、メンバーは？チーノ？」


…そういえば伝え忘れてたなって……

変に緊張しながら声に出すと、微かに眉間に皺を寄せたのが分かった。


「嫌やった？」


軽くショックを受けているとシャッター音。
おいコラこっちは真剣に聞いてんねぞ

あからさまに顔を歪ませると、わざとらしく咳払いしてからスマホをしまっていた。

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