七話 ページ10
静か。
本当に静かだ。
この空間で聞こえるのは、スプーンが皿にこすれる音だけ。
…ちょっと前も、
ドアを閉める音、
階段を上る音、
水の音、
包丁で切る音、
炒めているときの音、
そして自分の声。
全てが家の中に響いた。
他の音なんて、この家からは一切聞こえない。
当たり前だ。
一人なのだから。
A「……」
…寂しいなんて、思わない。
一人になって、何年経ったのか覚えてないけど、
長い間こうしているから、もう慣れた。
もう、これが当たり前になった。
このままでいい。
このままがいい。
変わらないほうがいい。
"また"、あんな思いは……
『もう、無理……』
『…前といると、村…達に何されるか、……らない』
A「…っ!」
閉ざしていたはずの記憶が…
『私…普通よ?髪の毛の…も、…の色も…。…の村人と、…く変わら……のに…!…んで〈化物〉って言われ………いけない…!?』
だめ…!
『お前…せいだ……!』
やだ…やだ…!
『…う無理よ!あなたを守る……て!な……、普通の…たちが傷ついて、〈化物〉…あなたが…ついてないの!?元凶…あなたなんでしょ…!?』
A「…うぅっ」
『なら、あな…が傷つけばいい……じゃない!私たちが傷つけら……理由は…いわ!』
考えるな!!
『あなたなんて…!産まなきゃよかった!』
A「っっ!」
ガッシャーン!!パリーンッ!
……。
A「……」
危な…かった。
床には、さっきまでご飯がのっていた皿の破片が、散らばっている。
何がしなかったら…力が、暴走してたかも、しれない。
食器棚に目をやると、扉のガラスや中の食器が割れていた。
……私は、昔から風の魔法が使えた。
知っているのは私と、親だけ。
村人たちは知らない。言ってない。
ここの村人たちは魔法が使えないらしいから、魔法が使えると知ったら、今度こそ殺されるかもしれない。
ずっと隠してた。
隠せるように、ちゃんと操れるようにした。
でも…"あのこと"を思い出した時だけ、制御できなくなる。
トラウマって言うんだろう。
食器棚のガラスや中の食器が割れたのは、私の魔法のせい。
風圧で割れた。
ご飯のお皿を割ったのは、そっちに気を紛らわすため。
そうでもしないと、この家を破壊してしまうかもしれない。
A「……」
考えてはダメだ。
私は、切り替えるために割れた食器を片付ける。
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心流 - わー!見てくれたんですね!うれしいです!お褒めの言葉、ありがとうございます…!お互お互いに頑張りましょうね! (2017年2月25日 17時) (レス) id: 3f7b35ca21 (このIDを非表示/違反報告)
星園☆.。+(プロフ) - ひゃー…!心流様の小説読みやすくて涙出てきそう…() 夢主ちゃんの設定も素敵で…。更新頑張ってくださいね…、! (2017年2月25日 14時) (レス) id: 5e90579951 (このIDを非表示/違反報告)
心流 - わわ!ありがとうございます〜!白猫やっていらっしゃるんですね!ぜひ相互お願いします!名前はゆ☆きで、リーダーはルカです!フォローさせていただきましたので、多分いると思います!これからもがんばりますので、見てくれたら嬉しいです! (2017年1月23日 17時) (レス) id: 3f7b35ca21 (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - 初めまして!面白いです!! 話の続きが気になります! 白猫やってるので相互に、、名前は卯月@相互募集中です! リーダーはレインです! 応援しています!頑張って下さい!!!! (2017年1月22日 23時) (レス) id: c73dabba4f (このIDを非表示/違反報告)
心流 - コメントありがとうございます!引き込まれるなんてそんな…!ありがとうございます!まだまだ未熟ですが、更新頑張りますので、見ててくれたらうれしいです! (2017年1月21日 17時) (レス) id: 3f7b35ca21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心流 | 作成日時:2017年1月14日 16時