【白猫プロジェクト】髪、目、身体、そして心

三十五話 ページ42

A「…え？」


何を言うかと思ったら…。


レイン「そんなのお前のとこだけだろ」


私のとこだけ？


A「どういう、こと？」


レイン「お前、島を出たことあんのか？」


島を出る…。


A「…ない」


レイン「ねぇのかよ。じゃあ当たり前だな。そんなくだらねぇことで、ギャーギャー騒ぐ人間らがいたら、そりゃそんな思考になるだろうな」


くだらないこと？


A「くだらなくなんか、ないでしょ」


周りと違うって言う事は、


そんな…軽いことじゃない。


レインは目を細めて不機嫌そうにこう言った。


レイン「…じゃあ俺とかはどうなんだよ」


A「へ？」


レインをみる。


白い髪

目は、青色


…普通じゃない。


…でも、


A「…でも、レインは悪魔だし」


そもそも種族が、違う。


レイン「はぁ…他の島から、人間が来たことはねぇのか？…まぁあるわけねぇか。あんな小さな島じゃなぁ」


他の島からの人間。


…旅人。


A「……あ」


キャトラ『私たちと一緒に旅に出ない？』

アイリス『ここの島以外にも、いろんな島がありますよ』

主人公『♪』


A「…っ」


あの人、たちは…。


A「…普通じゃ、なかった…」


レイン「あ？」


A「…あの人たちは、普通じゃなかった…」


私と、同じだった。


レイン「……来てんじゃねぇか」


私から目そらしながら言った。


A「…髪が、赤色だったし銀色だった。目の色だって、青色だった。黒色じゃ、なかった…」


私と同じ、で…。


普通じゃない、人だった。


レイン「…お前が無知すぎるんだよ」


A「無知…？」


レインは、またこっちを見て言った。


レイン「お前は、自分の村以外のことは全く知らねぇ、ただのバカだ。お前が異質なのは否定しねぇが、髪の色も、目の色も、魔法が使えんのも、お前の島以外じゃあ、普通なんだよ。お前のとこがおかしいだけだ」


A「……」


私が、普通…？


他の島に行ったことがないから、わからない。


じゃあ他の島は、私みたいなのがいっぱいるってこと？


あの人たちみたいな？


そんなの…わからない。


A「……わかんないよ」

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