【白猫プロジェクト】髪、目、身体、そして心

二十七話 ページ33

A「っ！」


声の主の方へ向くと、人がいた。


…いや、悪魔…？


そいつは牢屋の方へ近づいてきた。


？「いつまで寝てんだよ。丸一日寝てたぞ？」


黒っぽい翼

赤っぽい輪っか

白い髪


ぐらいしかわからないけど、黒い翼ってことは多分悪魔なんだ…。


それにこの声は…。


あの時、私を連れて行ったやつの…。


A「……」


？「一応動けるみたいだな」


A「…もしかして、治療してくれたのって……あなた？」


？「仕方なくだ。お前がいちいち暴れるから、殺してやろうかと思ったがな」


A「殺すって…また物騒な……というか、治療なんてできるんだね。あなたが」


？「フン…」


………？


あくま…？


A「で、私をどうするつもり？」


？「……」


A「私は別に…特別な事は何もないと思うけど」


私がそう言うと、そいつは驚いたように少し目を見開いて、こちらを見た。


？「……お前、気づいてねぇのか」


気づいてない……？


A「…え？何が…？」


？「……」


A「……あっ、もしかして風の力？」


？「…はぁ？風？そんなものいらねぇよ。そんなん使えるやつなんて、他に腐るほどいるだろ」


えー…。


腐るほどいるのね…。


A「…じゃあ、何に気づいてないの？」


？「……」


そいつは喋りださない。


A「？」


…え…何？


そんなやばいことなの…？


なんて身構えてたら…。


？「…さあな、俺もよく知らねぇ」


転けそうになった。


知らないんかい！


A「……なにそれ」


じゃあ、なんであんな意味深なこと言ったの…。


？「…とりあえず、ここからは出られないって言う事だけ、教えといてやるよ」


ふーん…。


ここから出られないのね……。


A「……って…はぁ！？」


出られないの！？


？「うるせぇよ」


A「当たり前でしょ…さらっというからじゃん」


でもまぁ…そうだよね…。


牢屋に入れるぐらいだから。


？「そういうことだ。大人しくしとけよ」


A「どういうことよ…。あっそうだ。一つ、聞きたいことがあったんだけど」


？「なんだよ」


右手首を見せる。


A「この腕輪って何？」


これも、こいつが付けたんだろう。


？「ああそれは…お前のちからを封じるものらしい。詳しくは知らねぇがな」


知らないんかい…。


A「知らなさ過ぎでしょ」


？「いちいちうるせぇな。お前は」

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