【白猫プロジェクト】髪、目、身体、そして心

十一話 ページ14

キャトラ「そういえばさー、あんたの名前ってなんなの？」


黙々と歩いている時、白猫がそう聞いてきた。


振り返り、立ち止まる。


キャトラ「私はキャトラよ」


アイリス「私はアイリスです。こっちは、主人公っていいます」


主人公「♪」


律儀な人たちだなと思った。


A「私は、A。よろしくね」


自分でもそっけない態度だなって思う。


キャトラ「Aね！よろしくねー」


アイリス「よろしくお願いします」


主人公「♪」


……


なんか…。


いい人たちだなって、思った。


素直に。


……でも、主人公に何か、違和感を感じる。


気のせいなのかな。


何か、主人公の心に、黒いものが渦巻いている感じがするんだ。


なんか、すごく嫌な…。


キャトラ「ねー、どうしたの？主人公を見て…」


我に返る。


A「なんでもないよ。ちょっと考え事をしてただけ」


キャトラ「そう？ならいいんだけど…」


A「気にしないで。さっ、早く行かないと日が暮れちゃうよ？」


アイリス「そうですね。行きましょうか」


前を向いて、再び歩き出す。


私たちが今歩いているところは、道がない。


誰も通らないから。


普通の人なら、迷ってしまうけれど、私は迷わないんだ。


何回も通っているから。


この森が唯一、落ち着ける場所なんだ。


家は、別に落ち着くとかそんなんじゃなくて、ただ生活する場所っていう認識。家には、あまりいい思い出もないし。


森は……静かだし、私を責める人もいない。


私にぴったりの場所。


で、今向かっているところは、ここ村人たちは知らないであろう場所。


私の秘密基地だ。


A「…もうすぐだよ」


アイリス「あっ…あそこ…」


キャトラ「何か見てきた…あそこよね？」


A「うん」


そして、木々をかき分けると…。


キャトラ「わー！すごーい！」


アイリス「きれい…」


主人公「♪」


一面、花畑。


私が森を散歩していたら、偶然見つけた場所。


で、果物が実っている木や野菜などが、花畑の中に混じっている。


私がここを初めて見た瞬間、天国かと思ったほど、とてもきれいな場所。


A「そこら辺にある食べ物、好きなだけ取っていっていいよ。 一人で食べても全然なくならないの」


キャトラ「やったー！取り放題よー！」


走っていったキャトラに続き、 二人も走っていた。


私はその場に座り込み、風に当たっていた。

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