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寡黙なオオカミ王子 ページ19

玄関を開ければ廊下は真っ暗


そりゃ、そうか


だって日付変わってるんだもん


仕方なく廊下の電気のスイッチを押す




『ただい…え?』


壱「お、樹」




明かりが灯ると目の前に姿を見せたのは眠そうな樹


そんなに眠たいのなら先に寝ればよかったのに




『起きてたの?』


樹「………」


『いつ…「……い」…へ?』


樹「遅いつってんの!連絡ぐらいして」




片手で口を覆い目を逸した樹


「心配してくれたんだな」と思うと自然と笑みが溢れる




『ごめん。夢中でつい……』


壱「まぁまぁまぁ、話なら中入ってからでも。A、風呂は?」


『事務所でシャワー浴びたんで大丈夫です』


壱「そ?もう寝るやろ」


『はい。おやすみなさい』


壱「ん。おやすみ」




リビングに向かう壱馬さんを背を見送り自分の部屋へ


私より後から入ってきた樹は器用に後ろ手でドアを閉めて


私が座るベッドに向かって真っ直ぐに進んでくる


薄暗い常夜灯のせいで彼の顔を上手く確認できないけど


明らかに怒っている事は、その場の空気で感じることはできた


目の前に来ると私を見下すように見つめる彼の視線


目を逸したらダメな気がして私も上目遣いで彼を見つめる




『……………』


樹「…………」


『……………』


樹「……お前、女っていう自覚ある?」




互いに見つめ続けて数十秒後


観念したのか樹が隣に座りながら質問をしてきた


そんなの……




『あるに決まってるでしょ?バカじゃないの?』


樹「じゃあ…」




トン、と肩を押され私はベッドへダイブ


その上から樹が覆いかぶさる


これって………




『い、樹……?』


樹「知らない男にこんな事されたらどうするの?」


樹「Aは鍛えてるから、そこら中の女よりかは強いけど…男には敵わないっしょ?」


樹「今日は壱馬さんが居たからいいけど、誰も居なくてこんな状況になったら……」


樹「お前、帰って来れなくなるよ?」




普段の樹とは違う、すごい気迫とオーラ


それはまるで獲物を狙うオオカミそのもの


その姿に圧倒され私は小さく頷く




樹「…………」


『え……ちょっ、樹。嘘でしょ(笑)』




そしてなぜか私に覆いかぶさったまま寝てしまった


なんとか彼を隣に寝かせサラサラの髪を撫でる


髪から香るシャンプーの香りと温かい体温で目を閉じる


おやすみなさい、オオカミ王子

血は争えない→←男前な兄貴たち



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Rh - 面白いです!!更新頑張って下さい! (2018年9月8日 19時) (レス) id: 88a88d6d8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルク | 作成日時:2018年2月21日 21時

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