Wolf Girl

男前な兄貴たち ページ18

『…もう日付変わるじゃん』




ボイトレやら何やらをしていると、いつの間にか時間が経っていた


帰ろうとスマホを開くと同時に飛び込んでくるメッセージ達




『……あっ、瑠唯さん』




メンバー1優しい瑠唯さんから「気をつけて帰ってきなね」というメッセージに


自然と口角が上がる


帰りの準備を済ませ事務所を出れば夜風が吹き抜ける




『ん？壱馬さん？』




暫く寮に向かって歩いていると壱馬さんからのメッセージ


その内容が


「いつもの」


ただそれだけ




『あそこか…』




多分、壱馬さんと私の「いつもの」は


私が毎朝行く寮近くのコンビニのこと


たまに壱馬さんを連れてコーヒーを買うから


壱馬さんとの待ち合わせなどでは「いつもの」で済ませている


コンビニに着けば大当たり


壁にもたれかかりアイスコーヒー片手にスマホいじる壱馬さんの姿


夜中だし人目を気にしないため変装はしてない




『壱馬さん』


壱「おぉ、お疲れ。上手く出来た？」


『なんとか。わざわざ迎えに来てくれたんですか？』


壱「たまたま」




「たまたま」とか言いながら本当は迎えに来てくれたんでしょ？


じゃなかったらわざわざ連絡して来ないよ




『(嘘つくの)…下手くそ』


壱「なんか言った？」


『いいえ、何も』


壱「ふぅーん。じゃ、帰るか」




そう言って歩き出した壱馬さん


半歩前を歩く壱馬さんを見て


「男前だな」と思ったのは私だけの秘密

寡黙なオオカミ王子→←▽

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