【 XLVI 】 ページ8
ホール全体に響くフルートの音。
一人で吹いていると自分の息遣い、指の動き、音、観客の雰囲気を感じ取れる。
「素晴らしい演奏だ。」
「一つ一つの音が生きているようだ。」
「流石天才ね。」
相変わらず実力をすべて才能に変えられているが。
勝手に言ってればいいって思うけどやっぱり認めてもらえないのは悔しい。
演奏が終わると大きな拍手。
舞台裏へ行くと蓮がいる。
「お疲れさま。今日も良かったよ。」
「ありがと。」
蓮はそう言ってくれたが自分ではあんまり満足していない。
控え室に戻り帰りの支度をする。
フルートをクロスで拭いてしまう。
「A〜、そろそろ帰るぞ。」
「分かった。」
外へ向かう途中ざわざわとする客の近くを通る。
「今日の演奏どーだったと思う？？」
「んー、上手だったけどいつもと違った感じ〜。」
「あーね、調子悪かったのかな〜。」
「さぁ…才能に酔ってちゃんと練習しなかったとか？」
「そんなわけないでしょ！！勝手なこと言わないでよ。」
「冗談だよ。でも調子悪かったね。」
「どうしたのかなぁ…。」
「………………」
才能に酔って……。
そんな風に考えたことなんか一回もない。
他の人もそんな風に思ってんのかな……。
車に乗り込むと蓮はハンドルを握る。
車が動き出す。
外はすっかり暗くなっている。
ボーッと外を見ていると車が止まる。
「悪いA、俺ちょっとコンビニ行ってくるな。車で待ってて。」
気づくと車はコンビニの駐車場に停まっていた。
蓮は運転席の扉を開けるとコンビニへ入っていく。
車窓越しに外の景色を見ているとスッと車の前を何かが通る。
「………猫？」
よく見ると小さな黒猫のようだ。
最初は放っておこうと思ったんだが通った道に赤い液体が落ちている。
「血……………？」
気づくと私は車の扉を開けて猫の血を追って小走りをした。
「あれ………ここ、どこ？」
気づくと人通りの少ない道に来ていた。
「猫もいない……血の跡もここで消えてる。」
蓮心配してるかな…早く戻らないと。
来た道を戻ろうと足を向ける。
「見ーつけた。」
耳元に聞こえた聞いたことのない声。
凍りつく身体は動かなかった。
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ルイ(プロフ) - 淡月さん» ありがとうございます！喋り方ちゃんとしていてよかったです！応援ありがとうございます、頑張りますね！ (2016年9月25日 21時) (
レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
淡月 - これすごく面白いですね リヒトの喋り方もちゃんとなっているし、話の区切り方も上手だし、凄いです。これからも応援してるんで頑張ってください。 (2016年9月25日 11時) (レス) id: ac32f96c3f (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 塩化水素さん» そしてレスで返してませんでした、申し訳ありません。本当にありがとうございます！ (2016年9月6日 22時) (レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - あ、本当だ…！！言われて気づきましたwってことは話が一話ずつズレてる……！！え、ありがとうございます、全然気づきませんでした。 (2016年9月4日 23時) (レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
塩化水素 - すごく面白いです！やっぱりリヒたんはいいですね\(//∇//)\…あとLXXVIが二つあるような気がします。もし間違っていたらすみません＞＜ (2016年9月4日 23時) (レス) id: aac0d621d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ x他1人 | 作成日時：2016年8月21日 20時
