【 LVII 】 ページ29
部屋のベッドに私はぽふんとダイブする。
「暇……」
いつもは暇になった時はフルートを吹いていたためそれができないとなると何をすればいいかわからない。
「暇………暇暇暇。」
暇と言えば暇じゃなくなる訳ではないが暇と言いたくなる
ゴロンと寝返りをうった時にバサバサと本が床に落ちる。
それとともにニ”ャッという声がした。
「………?」
床に散らばった本を一つずつどけるとその下から黒い物体が姿を現す。
「…………猫?」
目をパチパチとさせ驚く私をよそに目の前の猫はコスコスと前足で顔を撫でる。
「あれ……この猫。」
この間車から見た……。
「………ニュァ!?」
ひょいっと目の前の猫を抱き上げる。
触った手には泥などの汚れ。
「捨て猫?」
しばらく考えた後、私は猫を抱えて風呂場へ向かう。
「あれ、猫ってお風呂嫌いなんだっけ…。」
ひっかかれないかな……?
風呂場の扉を開けると猫は私の腕から抜け出しテチテチとシャワーを指差してこっちを向く。
「………………」
キュッと蛇口を捻りお湯を出す。
それを猫の身体にかけながらさわさわと身体を洗ってやる、そうすると猫は気持ちよさそうに身をよじる。
「変なの……」
お風呂からでてタオルで身体を拭く。
身体を拭き終わり部屋に連れて行く、猫は私の腕から飛び降りるとタッタッとベッドの方へ行きコロンと転がる。
「怠け者……」
ベッドに腰掛け猫の顎を指でなでる。
しばらく猫と戯れてると急にぴょんと膝の上に乗る。
「…………なに?」
トットッと部屋の中を走り回ると扉をカリカリと引っ搔き始める。
「………?」
ガチャリと部屋のドアを開ける。
蓮は出かけているのか部屋はシンとしていた。
その中をタッタッと猫はかけていきリビングのドアの隙間を通る。
後を追ってリビングに入ると冷蔵庫の前に立つ猫。
「お腹空いてるの……?」
ていうか、冷蔵庫にご飯が入ってるってわかるの?
「なんかあったかな……」
冷蔵庫を開けて何かを探すと目に入ったのはツナ缶。
そーいえば蓮がお酒のおつまみで買ってたっけ…。
「……………」
黙ってそれを手に取ると蓋を開けて皿に移しリビングにいる猫の前に置く。
猫は相当お腹が減っていたのか少ししたら皿は空になっていた。
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ルイ(プロフ) - 淡月さん» ありがとうございます!喋り方ちゃんとしていてよかったです!応援ありがとうございます、頑張りますね! (2016年9月25日 21時) (レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
淡月 - これすごく面白いですね リヒトの喋り方もちゃんとなっているし、話の区切り方も上手だし、凄いです。これからも応援してるんで頑張ってください。 (2016年9月25日 11時) (レス) id: ac32f96c3f (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 塩化水素さん» そしてレスで返してませんでした、申し訳ありません。本当にありがとうございます! (2016年9月6日 22時) (レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - あ、本当だ…!!言われて気づきましたwってことは話が一話ずつズレてる……!!え、ありがとうございます、全然気づきませんでした。 (2016年9月4日 23時) (レス) id: fd80353d0e (このIDを非表示/違反報告)
塩化水素 - すごく面白いです!やっぱりリヒたんはいいですね\(//∇//)\…あとLXXVIが二つあるような気がします。もし間違っていたらすみません>< (2016年9月4日 23時) (レス) id: aac0d621d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイ x他1人 | 作成日時:2016年8月21日 20時