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しつこいなあ。
見せるまで諦めてくれなさそう。
誰にも言うつもり無かったのに。
リストバンドを少しずらして見せる。
「みんなに言わないでね」
目「みんな知らないの?」
「誰も知らないし言うつもりない」
蓮くんが少し遠慮気味に手首に触れながら
目「痛い?」
「痛くないよ」
目「いつしたのか聞いてもいい?」
「SnowManになるって決まった日。」
目「なんで?」
「選ばれたのはすっごく嬉しかったの。ずっと居場所がないと思ってたから。でもジャニーズの紅一点だよ。グループに入ったら叩かれてるのは目に見えてる。ただでさえ叩かれてるのにそれ以上って考えると怖かった。それにみんなに迷惑掛けたくなかったんだよ。」
目「迷惑?」
「叩かれるのが私だけならまだいいけどSnowManまで悪く言われるじゃん?そんなの耐えられないって思ったの。本気だったわけじゃないしその時だけだからそんな心配しなくてもいいよ」
目「そっか。俺はAちゃんがいてくれなきゃ困るよ。Aちゃんが頑張ってるの見て俺も頑張ろうって思える。」
「ありがとう。」
目「もしまたしたくなったら俺の事呼んでよ。どこに居ても何時でも駆けつけるから。あんまり溜め込まないで。いくらでも話聞くし生きてる理由が分からなくなったなら俺がいっぱいAちゃんの好きなとこ言ってあげる」
「蓮くん...」
目「Aちゃんに俺は生きてて欲しい。」
「ありがとう。」
目「このことは俺たちだけの秘密ね」
「うん。」
「でもよく気付いたね?」
目「高校の時にリストバンドしてる子がいてその子がしてるって噂が立ってたから。もしかしてって思って。」
「そうなんだ。」
目「うん。気付けてよかった。さ、練習戻ろっか」
蓮くんの言葉でちょっと救われた。
こんなにいい子に悲しい顔をさせるようなことしちゃいけないな。
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作者名:ごみちゃん | 作成日時:2022年5月17日 23時