【鬼滅の刃】ごめんね。 (ページ22)

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21話ページ22

sideA

ずっと書いてた。

何枚も何枚も。

これがきっと最後になるのだろう。

珠世｢お久しぶりです。｣

A『御無沙汰しておりました、先生。』

珠世｢では参りましょう。｣

遂に人間に戻る薬を作られたそう。

珠世｢…お飲みにならないのですか？｣

A『まだ飲みません。まだ…ですけれど。』

これは大切に持っておこう。

2人は読んで居るのだろうか。

実弥｢…守らせてくれ…｣

玄弥｢嫌だ…｣

私の何十枚のうちの最期の遺書を。

初めて見る鬼は、

私の母を鬼に変えた男だった。

爆発したと同時に知らない部屋に居た。

A『あらまぁ、何処でしょうか。』

待っても意味が無いので歩いてましょう。

私の身体は何も摂取しなくともすぐに止血し、元通りになってしまった。

いっそあのまま……

A『…』

兄が稀血であれば妹もまたそれに然り。

私は鬼になってからの傷はすぐに治ってしまいました。

餓死にならないのもこの有り得ない回復する血のせいだと先生は仰っていました。

黒死牟｢…弱い鬼が｣

振りかざした剣を素手で握っては

A『残念ながら死ぬにも死ねぬ訳がございます故。』

さっと流す。

そして血はすぐに止血する。

あ、この方は…

A『こんばんは。霞柱様。』

無一郎｢なんでココに｣

そうですね。

A『弟にプレゼントを。』

先生から貰った薬をあの子にあげよう。

あの子は鬼を喰らう…あの子までこちらに来てはいけない…私の自己満を許してね。玄弥。

遺書

私はもう二度と会えないと思っていた家族に温かくして頂きました。それはもう願ってもいない至福の時でした。けれど、もう終わらせねばなりません。人として死んだにも関わらずにのうのうと生きては居れません。ですので、私、死ぬ為に戦場に行く事を決意致しました。

最後になりますが、私は不死川の一員になれたのが私の人生最大の喜びでした。

不死川実弥の妹として、不死川玄弥の姉として生まれて育ってきたのが何よりも幸せでした。

不死川実弥は私の自慢の兄でした。弟妹を守り家族を支えた誇らしい兄です。

不死川玄弥は優しく逞しい男となり人様に尽くす良い弟となってくれました。

誰よりも優しい兄弟として私に幸せをくれてありがとうございました。

先に母や弟妹の元に逝くことを直接言えずに最期まで謝罪がままならない事をお許しください。

不死川実弥の妹
不死川玄弥の姉

不死川Aより。