【鬼滅の刃】ごめんね。 (ページ13)

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12話ページ13

sideA

善逸｢助けてぇぇえ！｣

あらあら……

善逸くんにも好かれたようで…

A『大丈夫ですよ。良薬は口に苦しと言いますし…』

正座してましたら、善逸くんが私の膝に泣き縋って来ました……

あ、玄弥…

ｺﾞﾝｯ

A『げ、玄弥!!彼は病人ですよ！？病人に暴力を振るう子に育てた覚えはないですよ！？』

玄弥｢退け！このノロマ蜘蛛!!｣

玄弥が玄弥じゃない…！

A『玄弥!!』

隣に座らせてお茶を煎る。

A『落ち着きなさい、良い子だから。』

善逸｢…2人はどんな関係？｣

A『元姉弟ですよ。』

玄弥｢ーっ！ち、違っ…！｣

また泣きそうな顔をしています…

玄弥｢…違う…｣

そう言って早々に部屋を出ていってしまいました。

A『兄さんも玄弥も不器用で優しい人達ですよ。きつく当たるのは何かあるはずなんですが…』

私はまだ玄弥と兄がどうして仲違いになってしまったのか分からずじまいです…

A『あ、そう言えば善逸くんはだいぶ腕とか元通りになられましたね。あと少しじゃないですか。』

善逸｢炭治郎達は訓練してるんだけど、なんか何があったか聞いても答えてくれないんだよね。｣

あらあら。

兵士さんは大変ですね。

A『きっと鈍った身体を元に戻すには大変なのでしょうね。筋肉は1日休めば衰え、戻すには3日かかるとか。』

善逸｢俺もやんなきゃダメかなぁ…｣

素直な子ですね。

A『応援してますから。頑張ってください。』

善逸｢超頑張る!!｣

あら。

A『ふふ。』

純粋な子ですね。

玄弥はもう旅立ったようです。

あの子が無事に帰って来ますように。

死なずに生きて帰って来ますように。

神頼みなんて生まれて初めてです。

A『兄さんを1人にしちゃダメよ、玄弥。』

私も早く心の準備をしなきゃいけない。

最愛の兄弟と永遠の別れを悲しまずに笑顔を見せて逝けるように。

A『筋肉が吊りそうなまでに笑ってれば良いですか。』

家族を失う辛さはよく知ってる。

けれど、

鬼は生きてることさえ大罪。

A『人間に戻りたいなぁ……』

畳に大の字になって寝たのは初めてです。

A『兄さんと玄弥の幸せを長く見ていたかったなぁ……みんなで笑って…近くに住んで、助け合って……私はどこかに嫁いで、子を持ちたかった…』

私の声は小さく遠くの空へ消えました

そこに誰かいる事さえ知らず。