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7話 ページ8

sideA

兄に連れられました。

暗い籠の中に篭って揺さぶられています。

何度も何度も刀を握っては下ろし、

頸を伸ばして待ってみても苦しみはなくて

閉じていた目を少し開けたら震えていた兄にこれ以上しつこく頼むのも無礼かと。

A『兄さん。私、他の鬼殺隊の方にお願いします。』

実弥「…」

兄は「柱」なので凄腕の方々にお願いするとのこと。

A『玄弥にだけは内密にしてくださいね。』

実弥「……」

A『私からの最期の願いを聞いてくださるなら幸いです。』

実弥「……」

また抱きしめられました。

A『鬼殺隊の柱ともあろう方が…1度だけでなく2度も…』

実弥「バカ妹がァ…」

兄から出た温かい雫は私の頸を沿って流れてきました。

1度たりとも弟妹に涙を見せなかった強い兄ですら現実を受け止めたくないのでしょう…

実弥「出ろ。」

目的地に着いたみたいです。

煉獄「どうした、不死川!」

元気な声がします。

伊黒「鬼を切らずに生かすとは」

煉獄「うむ!柱たるものそのような…」

実弥「黙れ!!」

A『初めまして、鬼です。殺してください。』

そんな驚かれても…

伊黒「なんだ。望み通りにしてやれば…」

兄は覚悟を決めたようです。

頑張って踏みとどまっています。

苦渋の決断をしたかのように苦しそうに目を瞑ってじっとしています。

甘露寺「待って!伊黒さん!ちょっとお話聞こうよ!不死川さんが頼み事なんて滅多にないのに!それに…」

伊黒「わかった。」

可愛らしい女性ですね。

A『変わった方ですね。』

甘露寺「えぇ!?そうかなぁ…」

御館様「うん。私も気になっていた。もしかしたら禰豆子のような特殊な鬼かもしれないし。良いかな?」

「「はっ!」」

ほへー……あの人がお偉いさんですか。

A『初めまして、人間だった頃の名前は不死川Aと申します。』

甘露寺「じゃあ…不死川さんが頼み事したのは…」

A『鬼殺隊ともあろう方が鬼を躊躇わずに殺す事もままならないなんて…
過去に兄妹だったとしても鬼は鬼。人や世のために刀を握って戦う人がそんな事で躊躇うなんて…』

胡蝶「なら、私の毒で…」

兄はまた震え出しました…

御館様「私からも質問させて良いかな?」

A『応えられる範囲でしたら。』

御館様「君は鬼について知ってる事、今まで何人の人たちを犠牲にしてきたか。応えられる範囲で構わないよ。」

お優しい方ですね。

兄が敬愛する理由が分かります。

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年11月20日 4時

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