【鬼滅の刃】ごめんね。 (ページ3)

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2話ページ3

sideA

風の噂で兄さんが鬼狩りという名の鬼殺隊に入ってその中でも素晴らしい｢柱｣というものになったようです。

A『流石ですね、兄さん。』

お腹、空きました…

餓死しようとしてもなかなか死ねないんですが…

玄弥と兄さんが不仲になってしまったようです。

私が原因ならごめんなさい…

だから、早く私を殺してください。

兄さんは凄腕の方なんですよね？

なら、早く私を殺してください。

A『…お腹空いたなぁ……』

｢もし、そこの方。｣

美しい鬼が居ました。

A『…なんでしょうか。』

｢顔色が大分悪いですよ、私は医者です。どうぞ私の所に…｣

A『お医者様ですか、凄いですね。私は生憎お金が…』

｢お金は頂きません。貴女はたった1人で生きてきたんですね……人を食べることも無く…ただ1人で…｣

そんなに顔を顰める事でもないと思うのですが…

｢珠世様！こんな鬼に…！｣

助手の方？

A『お医者様が美しい方なら助手の方も美しく秀才なご様子で…』

｢…！そうだろう！珠世様は絶世の美女だからな！｣

褒められた時の弟に似てて可愛らしいですね。

あ、また世界が歪む。

｢…！愈史郎！｣

｢はい！｣

(慌てた様子の珠世様も美しい…)

目を覚ますと知らない場所で久しぶりに布団で寝ていました…

｢起きたか、この愚図。｣

起きて暴言吐かれた事、多分初めてです。

A『お世話になりました、料金は幾らでしょうか。』

｢愈史郎、女性に向かってなんですか、その口の利き方は。｣

助手の方は愈史郎さんというようです。

｢はい！珠世様！｣

お医者様は珠世さん？

A『お医者様…』

珠世｢顔色も良くなりましたね。｣

誰かを殺してまで長く生きたくない。

むしろ、

A『…私は、早く死にたいんです…』

珠世｢…｣

A『母は鬼にされ、私に頸を噛まれた私は何故か生き残り鬼となりました…』

静寂が包む屋敷は日がないのに温かい。

A『小さい弟妹が…冷たくなった弟妹がご馳走に見えた時に私は確信しました。バケモノに成り果てたのだと…』

珠世｢…お母様は、｣

A『兄が必死に切って太陽と共に消滅しました。』

珠世｢そう……｣

珠世｢…私は人間に戻る薬を開発しています。｣

そんな夢のような道具…

珠世｢…今はまだこれからですが…｣

A『そうなんですか…』

もし仮に出来たら戻れるのかな。

兄さんと玄弥に｢ただいま｣と｢ごめんね。｣って言えたらいいのに。