【原神】八神目〜璃月編3〜 (ページ30)

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Section 4 ページ30

ヨナは不定期に息をする

空もパイモンも心配を募らせる

鍾離はただただ黙っている

汗が伝う頬を優しく手のひらで撫でた

パ「そういえば鍾離ってヨナとも面識あるのか？」

鍾「ああ、そうだな……」

鍾離は寂しい目をして頷いた

パ「なあ、時々ヨナの様子が変わるんだけど……何か知らないか？」

鍾「様子が変わる？」

空「そうだよね、口調も変わって綺麗な青色の瞳が綺麗金色の色になるんだ」

鍾「それか……」

鍾離は少しズレたヨナの額の上のタオルを置き直す

熱があるようでもうそのタオルは熱くなっていた

鍾「もともとヨナの魔神名がセーレなんだ。しかし、それだけでは可哀想と
　思った俺たちがヨナと名付けたんだ」

パ「じゃあ……ヨナの本当の名前はセーレなんだな？」

鍾「ああ」

鍾離は目を伏せた

鍾「様子が変わる時のセーレは、シトリーという名なんだ」

パ「へ？」

空「シトリー……？」

鍾「ああ、セーレの中にいるソイツは、セーレに何らかの因縁があるのか
　生まれた時からずっとセーレの中に存在する。
　不死の魔女と呼ばれた彼女はセーレに危害を加えるつもりはないらしいがな」

空「へ、へえ……」

鍾離は少し怒ったような口調で言った

空とパイモンは居た堪れなくなって、顔を見合わせる

鍾離はいつもの表情に戻って空とパイモンに言った

鍾「セーレのことは俺に任せてくれ。お前たちは任務に向かうといい」

パ「そうか？じゃあお言葉に甘えるぜ！」

空とパイモンはぺこっと鍾離に頭を下げて部屋を出ていった

それを確認すると鍾離はベッドの近くにある椅子に座った

鍾「………」

ただ静かに、息を荒くして苦しそうに眠る彼女を見つめる

『モラ、クス……様……？』

ヨナはうっすらと目を開けた

熱のせいでその目はとろけ、目に涙が溜まっている

『ごっ……ごめんなさい……ご迷惑を……』

ヨナは嗚咽の声を抑えながら鍾離に向かって一つ謝った

頬を流れる涙を鍾離はそっと拭い優しく微笑んだ

鍾「気にするな。ゆっくり眠れ」

『で……でもっ』

鍾「風邪をひいているようだな、早く治せ。力の使いすぎが原因だろう」

『は、はい……』